フィルムとデジタル
5時に起きて外を見ると雲の切れ間から青空。大急ぎで宿を飛び出し、昨日発見したポイントへ行ってみます。デュルンシュタインはちょうど逆光になるため今ひとつでしたが、川面をキラキラ反射する光をゲットできました。
宿に戻って朝食です。この宿もバイキングスタイルでしたが、えっマジかよ、と驚くくらい料理の数が少なく、がっかりでした。そういえば昨日チェックインの時にオーナーのおばさんと接し、「ああ、この人はたぶん利益優先の人だな……」と何となく感じていたのでした。お金の事しか考えていない人って、見てすぐにわかりますよね。
チェックアウト後、デュルンシュタインへ足を運びます。ケーンリンガー城跡へ登るつもりでしたが、再び上空には分厚い雲。いい写真が期待できそうになかったので、登山は諦めました。
その後、付近を簡単にロケハンした後、ウィーンに向かいます。ウィーンはこれで2回目なので地理は完璧。街中を迷うことなくスイスイと車を進め、昨年宿泊した安宿にチェックイン。部屋に荷物を運びれホッと一息つきました。
その後、アウトバーンを140キロ(僕は臆病なので180キロ以上は出せないのです)で飛ばして、ハンガリーとの国境付近まで行ってみます。ドナウ川沿いに点在する小さな町を精力的に撮影しました。
さて、今回の取材もフィルムとデジタル、両方のカメラを使っています。どちらも重いので同時に持つことは不可能。どのように使いわけているかというと、はっきり言ってその時の「気分」です。
しかし、今の一眼デジカメがどんなに性能がよくても、撮れない被写体があるのです。眩しい朝日とか夕陽とか、キラキラした光の反射とかは、どのメーカーの一眼デジカメを使おうが絶対に無理(光の部分だけ白とびしてしまう)。だからそんな時は当然フィルムカメラを使用しています。
そう、フィルムはオールマイティーですが、デジタルは得意、不得意がある。これは悲しい現実です。
だったら100%フィルムにすればいいじゃないか、と言われそうですが、1000万画素以上のデジカメは、フィルムの6×45と同等のクオリティーが出せるんです。2000万画素だったらフィルムの4×5です。つまり、35ミリのフィルムカメラを使う意味がない。だから僕は35ミリに限っては、すべてデジタルに切り替えてしまいました。
多くの写真家は、「デジタルは凄いよ!」と言います。でも写真家の「本音」ってのがありまして、やはり多くの写真家や写真関係者は、やっぱりフィルムの方が写真は面白いな……と考えているようです。まあでもこの辺のことはCAPAの記事で書きましたので、立ち読みしてみてください。
いずれにしても、あと10年もすればすべてがデジタルに切り替わるでしょう。もしかしたら今の時代は、フィルムとデジタルをうまく使い分けることが出来る写真家が、本当の意味ですごい写真家なのかもしれませんね。
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