地方の雑誌
生まれ故郷信州をはじめ、地方に行くと驚くことがあります。それは地方出版物の質の高さです。例えば長野県では「KURA」という月刊誌があるのですが、これが凄い。編集も、写真も、デザインも、印刷も、全国区の雑誌と何ら変わりのないクオリティです。
僕は仕事柄、東京の雑誌の編集者の知り合いが何人もいるのですが、会う度に「以前ほど雑誌が売れない、売れない」とぼやいています。
読者がネットや携帯に流れ、紙の雑誌を必要としなくなってきたというのが理由の一つですが、このような地方誌の充実ぶりも、少なからず影響しているのかもしれませんね。地方発信、地方消化である程度は事足りるわけですから。
今回ドイツからの帰国便で8本の映画を観ましたが、その中で四国の讃岐うどんの世界を描いた「UDON」という作品がありました。情報誌の編集者の物語だったので、興味本位で最後まで観てしまいましたが、確かこの映画の中でも、地方の出版の元気な姿が描かれていました。(映画の作りは感心しませんでしたが……)
でも、たとえ出版は元気でも、この国の地方は、凄まじい勢いで過疎化が進んでいると思います。
例えば僕の両親が住んでいる町内だって、子供が育ってしまった今、熟年層が暮らす町になっています。そう、若い人がどんどん少なくなってきている。きっとこのような町や村が至る所にあるのでしょう。
地方を活性化させるためには、他の国にみたいに、日本の主要機能をどんどんと地方に移転させていくしか方法がないと思います。いつの間にか立ち消えになってしまった遷都だって、とっととやればいいのにな、というのが僕の考えです。