尾鷲へ
朝食はおにぎりとパンとインスタントみそ汁のみでした。スーパーホテルの場合、ホテルによって随分と違いがあるようです。
国道23号線を走り、鳥羽市へやって来ます。もちろんここは観光地。観光地からもよく作品を生み出しているので、今回も気合いを入れてぐるりと一周してみましたが、結局一枚も撮りませんでした。
大王崎へと足を伸ばします。灯台にはときめきませんでしたが、波切漁港で4カットほど撮影できました。
真珠や魚を売るお店が何軒かありましたが、オーナーのおじさん、おばさんたちは実に暇そうにしています。「写真ばかり撮ってないで、魚を試食してみなさいよ」「おにいちゃん、どこから? ちょっと冷たいお茶でも飲んでいかない?」と、行く先々で声を掛けられます。
時間がない僕は、「すみません〜、急いでいるんです……」と断り続けましたが、心の中には地元の人と交流し、そこからまた新たなスナップ写真を生み出していきたい……という思いもあるにはあるのです。
海沿いに伸びる国道260号線を南下していきます。途中、コンビニに立ち寄り、パスタとおにぎりを買いました。このコンビニチェーンのパスタを食べるのは初めてでしたが、実に空疎な味でした。もう結論が出ました。コンビニの中でパスタが美味しいのはampmの冷凍パスタだけです。後のコンビニパスタは全然ダメ。
それにしても紀伊半島って、山が深いですね。鬱蒼と生い茂る樹木を眺めていると、神聖な気分になってくるから不思議です。
そうそう、僕はエアコンの風が嫌いなので、よく車の窓を開けて走るんです。で今日も運転席側の窓を全開にしていたら、突然バタバタバタと大きな虫が車内に入り込んできました。蝉かなと思いよく見ると、何と体長5センチ以上もある超巨大なスズメバチ! 助手席の窓を開けたら外に逃げていきましたが、それにしても怖かった。その後、路肩に車を停め、しばらく呆然としてしまいました。刺されていたら危なかったですね。
熊野古道で有名な尾鷲に入ります。まずは適当なビジネスホテルにチェックイン。
写真家は、どんな著名な方だって、みんなビジネスホテルなんです。朝や夕を撮ったりと時間が不規則なので、食事がセットになる民宿やペンションには泊まることが出来ません。
取材に出て、地元のおいしいものに舌鼓を打つ、何てことをしている写真家はまずいないでしょう。
もちろん、何人かのスタッフと一緒に旅をする依頼仕事の時は全く別。毎日美味しいものばかり食べています(笑)。
部屋に入り一息ついてから、暗くなるまで尾鷲の町を撮影しました。ある被写体にカメラを向けていると、地元のおじさんが声を掛けてきました。どうやら写真を趣味としているらしく、プロの撮影スタイルに興味津々。「若い人が、大きなカメラを使って、しっかりとフイルムで撮っているって、何だか嬉しいなあ〜。ワシは今のデジタルカメラなんぞ全然わからんよ」としきりに言っていました。
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長文のブログですね(^^)しかもどの話題も面白くてコメントしたくなります♪でも一番反応してしまったのはコレかな。
>実に空疎な味
味を空疎と表現するあたり、好みですね。それにしてもどんなパスタだったんだろう…逆に食べてみたい気がします(^^;
投稿: アンリ・ルソー | 2007年6月 8日 (金) 23時17分