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緑豊かな自然に人の素朴な暮らしの気配がある風景が好きな僕にとって、「フランスの美しい村」(「フランスの美しい村」協会が厳選した村)との出会いは運命のようなものでした。5年ほど前、この村々の存在を知った時、村の写真を撮り、写真集として発表したいと強く願ったのです。
ただ僕は、日本の出版界が得意とするダイジェスト版、つまり村が150個あるとしたら、その代表となる数十個の村だけを取材して本にしてしまう、というスタイルだけは、どうしても、どうしても嫌でした。僕は完璧主義者です。
といっても、フランス全土に散らばる150個以上もの村をすべて巡り、写真を撮るというのは、想像以上に大変でした。まず苦労したのが村探し。一回の取材でミシュランの詳細な道路地図がボロボロになったほど。その他、言葉の苦労、宿の苦労、食事の苦労、高額な取材費捻出の苦労、写真整理の苦労、キャプション書きの苦労……など、挙げたらきりがありません。
また美しい村の登録は、毎年見直され、数がコロコロ変わります。つまり登録を取り消されたり、新しく登録される村があるのです。例えば2年掛けてフラッシュ・コンテ地方に点在するすべての村を撮影したのに、翌年、そこに新しい村が加わったりすると、その一つのために再び海を超えなければなりませんでした。(2009年9月現在、150個の村が登録されています)
地中海のコルシカ島にある2つの村、インド洋のレユニオン島(フランスの海外県)のエル・ブール村も、もちろん取材しました。
最後の1つの村を撮り終えたとき、ついにやり遂げた……と胸がジ〜ンと熱くなり、自然と涙が出てきたのを思い出します。
そしてこの超複雑な編集をして下さった編集者のAさん、デザイナーのBさん、資料の翻訳のCさん、地図制作のDさん、印刷会社の方々には、感謝、感謝です。
『「フランスの美しい村」全踏破の旅 』は、10月8日発売予定です。
出版社のサイトでサイン本(先着200名様)の予約がはじまりました。是非ご利用ください!