開く
原稿の仕事がたまっていたので、4時間ほど喫茶店へ。
文書の中に出てくる漢字をひらがなで書くことを、「開く」って言います。
20代の頃、どの漢字を開くか開かないかわからなくて、よく編集者さんに尋ねていました。すると「すべて吉村さんが決めていいんですよ」と誰からも同じ答え。
で、自分なりに幾つか開く漢字を決めました。
「包む」→「つつむ」、「続く」→「つづく」、「巡る」→「めぐる」、「溶ける」→「とける」など。
言葉のニュアンスからして、開いた方が読む人に伝わるような感じがするのです。つつむ、なんて、ひらながの方がつつまれている感じになりますよね。とける、は、漢字を使ってしまうと、とけた感じがしてこない。
いずれにしても、僕は出来るだけ漢字を開きたい派です。文章が読みやすくなるから。あと、僕のような書くことを専門にしてない人が書いた文章でも、プロっぽく見えてくるから不思議です。
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コメント
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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 履歴書の志望動機 | 2012年5月26日 (土) 12時04分
おはようございます。今日は、寒い雨の中ボタン桜が素敵に春色の顔をのぞかせてくれています。(開く)って、その言葉の扉を開いて皆さんの前に、お披露目するみたいですね。文章というドレスをまとって(^-^)/何だか素敵な響きだなと思いました
思いを伝えるために言葉って大切ですよね
投稿: 陽子 | 2010年4月23日 (金) 08時36分
「開く」という用語を初めて知りました。私も文章の内容やその時の感覚で自然に使い分けていたり、あるいは意識していつも考えてしまうことだったので、お話を読んですごく納得すると同時に、やっぱり吉村さんもそうだったんだ。。。
となんだか嬉しい気持ちになりました。
漢字にしてしまうと、伝えたいニュアンスと違ってしまう言葉ってあるんですよね。ひらがなにした方が雰囲気のいい言葉もあって、それでやさしく味わい深い文章になったり…改めて挙げようとすると、いろいろありますね^^。 ちょっとメールをするのにも、漢字とひらがなを両方打ってみて悩むときもあります
さっきまで眠くなっていたのですが、あまりにもツボにはまるお話だったので、一気に目が覚めました(笑)
"骨がいっぱいある傘"って私も最近気になっていたんです! 持っている人を見かけていいな~と思っていました。ちょうど通販のカタログを見ていたら色やデザインもいろいろあって、骨の数も16本と24本で迷ったのですが、なんとなくバランスのとれた16本のピンク系にしようと思いました^^。 吉村さんも先日の折り畳み傘に引きつづき、お気に入りがみつかると良いですネ

投稿: なつみ | 2010年4月23日 (金) 02時32分
へ〜、「開く」って言うんですか。
私は普段はむしろ漢字を多用する方です。文字としての漢字が好きなのと、私には漢字の方が読みやすいから。意味もくみとりやすいし。
でも、時に「開いた」方が雰囲気が伝わるのは分かります。「二人」と「ふたり」とか。
文章って、書く人の個性がかいまみられていいです(u∀u)。
投稿: mari | 2010年4月22日 (木) 21時48分
ひらがなと、漢字について、そんな風に考えたことがなかったので、読んでいて、とても興味深かったです。
投稿: やえやまさん | 2010年4月22日 (木) 19時48分
本当、今日のコメント気が引けますね・・・意識してしまいます(緊張)。
和世さんが言われてるように、ひらがなが入ると文章がやわらかくなりますね。
「開いた方が読む人に伝わるような感じがする・・・」深いですね。吉村さんは、20代のころから文章について考え、努力されてこられたんですね。凄いです!
「開く」という言葉は忘れていましたが、数年前にこのことを知る機会がありました。それ以来「開く」ことを心掛けているんですが、なかなか難しいですね。簡単に変換できるパソコンや携帯だとつい漢字が連なってしまいます。手書きだと、そうなりませんが(苦笑)。
句読点の適度な打ちかたも気になります。日本語って難しいですね~でも面白い!ですね。
投稿: Watanabe | 2010年4月22日 (木) 19時17分
私も「やわらかく」したい時にはひらがなを使用しています。今まで特に意識せずに感覚でそうしてましたが、「開く」というちゃんとした技法(?)だったんですね。初めて知りました
)いつもありがとうございます
いつもいろんな事を教えていただいて、私にとって吉村さんは、まるで「百科事典」のようです。(すみません
投稿: 和世 | 2010年4月22日 (木) 13時24分
本日、再び失礼いたします。
私が、なぜ吉村さんの書かれる文章や本に惹かれるのか、理由のひとつが解明できたように思います。
ちなみに、Mon_masaさんの文章も好きなんです。隠れファンでございます。
あっ!吉村さんには、まだまだ及びませんが…(笑)
失礼いたしました。
投稿: まー | 2010年4月22日 (木) 12時03分
あ~、「い」だったあ~(-_-;)
しかも、名前なかったぁ~
ほら、和世さん、自信もてるでしょ…(^^)
投稿: 花水木 | 2010年4月22日 (木) 11時49分
へぇ~、すご~いですね。だから、吉村さんの文章は読みやすいのですね。今日もブログを開いた時に、あ~きれいに字が並んでると思いました。それでいてちゃんと気持ちが伝わってきます。さすが、吉村さん!
こんな事聞いた後に、文章を書くのは、気が引けますが、気持ちのみで書いているので、それでお許し下さい…私は、ほぼ携帯で書いてます。だって、パソコンで書いていると娘たちに覗かれて、何書いてるのとかダメ出しとかうるさいからです。
おかげさまで携帯で打つのが早くなりましたが、パソコンも一人一台の時代ですね。
私は、点を何処で打つのか全くわからない人です。小学生からやり直した方がいいですね…
ガラスビンさんへ
昨日の吉村さんのブログのコメントにお手紙を置かせていただきました。読んで下さい。
吉村さん、ありがとうございました。
でも、「か」が抜けてるよ(^.^)/~~~
投稿: | 2010年4月22日 (木) 11時46分
日本語ってやっぱりスゴイかも。
漢字ひらがなカタカナで微妙なニュアンスを表現できる、まぁ日本人にしか解らない事かもですが。
ケータイでメールを打つにしたって、結構文字の組み合わせを考えたりしてますもんね。
ん〜、深い!
投稿: hikarin | 2010年4月22日 (木) 11時15分
「開く」というんですか。勉強になりました。
実は、僕も何年か前にそれに気付いたんです。新聞などは漢字を多く使いますが、小説やエッセイを読んでると、あえてひらがなを使っている人が多く、しかも、どの漢字をひらがなにするかは書き手によってまちまちなんですよね。それに気付いてから文章を読むのが面白くなりました。点(、)の打ち方や改行の仕方などにも個性が出ますよね。
僕は改行が多い小説のほうが好きです。リズムが生まれるので。
時代小説が好きなのですが、池波正太郎の書き方が最高に好きです。
投稿: Mon_masa | 2010年4月22日 (木) 10時59分
そうですよね。私も「ひらがな」の柔らかさと優しさが好きなんですが、最近はついつい漢字変換をしてしまいます。字数を気にするあまり…
投稿: まー | 2010年4月22日 (木) 08時36分