ラスベガスへ
いつも通り5時に置き、窓の外を眺めてみると、何と快晴。大急ぎで部屋を飛び出し、ブライスキャニオンの見晴台へ行ってみました。
寒い。今朝の気温はマイナス10度くらいまで下がっているでしょう。ヒートテックを着ているので体は平気ですが、手と足が冷たい。今回の旅、春用の薄い手袋では厳しかったようです。
朝日が昇ると、岩が染まり始めました。シャッターを押します。ふと太陽の方向を眺めると、何とダイヤモンドダストが発生している! キラキラと輝き、とてもとても綺麗でした。
望遠ズームに切り替え、露出を変え、何枚も何枚も撮影します。2〜3枚、手応えのある作品が撮れました。
いったんホテルに戻り、パッキングをした後、チェックアウト。これで今回の取材は終わり。ラスベガスに戻ります。
14号線を走って山を越えました。積雪1メートルはあるでしょう。道は雪と氷、でもレンタカーは普通タイヤ。雪道の運転は慣れているので怖くありませんでしたが、ハンドル操作を誤れば谷底に真っ逆さまでした。
ハイウェイ15号線を走り、アリゾナに入ります。突然、真夏のように暑くなりました。エアコンを温風から冷風にチェンジします。
5時間後、ラスベガスに到着。
ダウンタウンに車を進めてみましたが、赤信号や渋滞でイライラが募ります。今日の宿泊先であるMGMグランドホテルの前まで来た時、ふと考えが変わり、このまま空港に行ってレンタカーを返却することにしました。明日までキープすると、ホテルの駐車場代など、かなりの出費がかさみます。
空港でレンタカーを返却後、シャトルバスでホテルへ。端から端まで一駅はあるくらいの超巨大ホテルでした。5000室以上あるそうです。
Nさんから絶対に観るようにと言われたシルク・ドゥ・ソレイユの「KA(カー)」のチケットを尋ねてみます。当然、完売。3日先までビッシリでした。仕方ありませんね。
次の取材では、後半に2〜3日フリータイムを作り、ショーを片っ端から観るのもいいかな、と思いました。
夜、時間が出来たので、夜景の撮影を行います。
ラスベガスの街は、10年前の取材で一通り撮っているんです。だからベラージオの噴水を見てもなあまり感動はしませんでした。
それにしても凄い人です。このようなホテルやカジノやエンタテインメントが一同に揃う賑やかな街って、日本にもあっていいような気がします。東京と大阪の埋め立て地に造ればいいのに。日本のカジノ構想は大賛成です。まあ僕はギャンブルはやりませんが、数多くの優れたショーは観たい。
さて、今回の旅を振り返ってみると、やはり一番感動した場所はアーチーズ国立公園でした。ただ、目的のアーチ(岩)までかなり歩きます。天候にも左右されると思う。今回は晴れたのでラッキーでした。
次に感動したのは、やはりアンテロープキャニオンですね。この岩模様は、一見の価値ありです。
グランドキャニオンとモニュメントバレーは、「ああ、なるほどな」という感じで終わりました。すでにたくさんの写真や映像を見ているので、頭の中にイメージが出来上がっているのです。逆に予備知識がなければ、すごく感動したことでしょう。
いずれにしても、アメリカの印象がガラリと変わりました。ニューヨークやロスやサンフランシスコは何度も訪れていますが、行くたびに疲れ、あ〜、アメリカって実につまらん国……という思いしか抱きませんでした。
でも、アメリカの大自然は凄い! たくさんの感動があるんです。
カナディアンロッキーも確かに凄いのですが、カナダはどちらかというと「綺麗に整った美しさ」のような気がする。しかしアメリカは、バーンバーンと何でも荒削り。その大胆さが、ある種の美しさに繋がっているんですね。
それにしても、アメリカの自然がこんなにダイナミックだとは思わなかったな。これから何度も訪れ、写真を撮り続けていこうと思います。
アメリカが好きになったかも。
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コメント
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吉村先生、最近ファンになりました私は、先生はアメリカの自然にはご興味がおありかしら…?と気になっていました
ネブラスカ州の自然を舞台にしたウィラ・キャザーの小説「マイ アントニーア」の自然描写が好きです。
投稿: ミユ | 2010年4月 6日 (火) 01時54分
ダイヤモンドダスト。キラキラと輝く光景に生まれてから、出会った事がありません。先生のおかげで、沢山の景観や取材記を拝見させて頂いて、知る事が出来感謝しています。生きててよかった(o^-^o)
投稿: 陽子 | 2010年4月 5日 (月) 22時18分
MGMは客室数では世界一ではありませんが、面積とか色々総合的に見れば今でも世界一でしょうね。昔は、ただデカイだけのホテルでしたが近年は見事に路線変更に成功して大人のラグジュアリーなホテルに変貌しましたね。
今回の取材記録を素敵な編集後記でしめくくっていますね。アメリカの自然が好きになったとのことで良かったです。
以前申し上げましたが、吉村さんにアメリカ南西部を撮ってもらいたいと思っていたんです。でも、いままでの作品を見るとカナダなどの、吉村さんのおっしゃるような「綺麗に整った系」の自然が多かったので、グランドサークルのような荒涼とした風景は好みではないのかなと勝手に想像したりもしていたんですが、単にいままでは機会がなかっただけなのですね。
これからも撮り続けるおっしゃっているので、個人的に大変うれしいです。実際向こうに行ってみて「あまり好きになれませんでした」みたいに言われたらどうしようかなぁなんてちょっと心配でもあったんですよね(笑)
早く・・一刻も早く!作品が見たいです。どういう形にせよ、お目にかかれる日を楽しみに待っています。
投稿: Mon_masa | 2010年4月 5日 (月) 17時49分
今回の取材の締めくくりが、ダイヤモンドダストだったんですね!なんだかアメリカの大自然が、吉村さんに「ようこそ!」と言ってるみたい…

「撮り続けるもの」に、また出合われましたね。素敵な旅になって良かったです
投稿: 和世 | 2010年4月 5日 (月) 16時34分
ご無事でよかったです(*^-^)
ラスベガスのシルク・ドゥ・ソレイユ、友人が観に行って、すごくよかったようで、興味があります。
しかし、アメリカって、この両方があって、凄い国ですね!!
吉村さんのおかげで、私もアメリカが好きになってきました☆
投稿: やまねこ | 2010年4月 5日 (月) 13時06分
吉村さん、取材記を徹夜で…ありがとうございます。
ご苦労を噛みしめながら、じっくり拝見致します。
着きました。思わず「ただいま!」と呟いてしまいました。
投稿: まー | 2010年4月 5日 (月) 10時32分