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2011年10月

2011年10月31日 (月)

モノクローム in プリンスエドワード島

写真集『Shinshu』、皆さんからたくさんのメールやコメントを頂いています。もっとも多い感想は、「美しい!」です。カラーの写真集では、美しいという感想は少なかったのですが、モノクロの作品集になったら、途端に増えました。これには僕自身も驚いています。やはりモノクロの世界は、色彩を「感じる」からでしょうか。
もちろん、モノクロの写真表現は初めてではありません。高校時代はモノクロが中心だったし、20代の頃もたくさんのモノクロ写真を撮りました。
作家を目指している人は、自分の背丈ほど原稿用紙に文章を書いていると言われていますが、写真家も同じです。僕も、過去にはたくさんの写真を撮りました。そのうち、発表出来た写真は、1割にも満たないです。
もちろん今でも、せっかく撮ったのに企画倒れ→お蔵入り、という写真が山ほどあります。何かを表現していくって、それほど厳しい世界です。
僕の第2の故郷、カナダのプリンスエドワード島。一時期、モノクロ写真にはまったことがありました。
写真集『Shinshu』で、皆さんからたくさんのコメントを頂いていますので、そのお礼として、今日は特別に8枚の「モノクローム in プリンスエドワード島」を発表します。

↓各写真をクリックすると拡大します。
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2011年10月30日 (日)

Siri

量販店のソフトバンクとauカウンターの前を通ったら、iPhoneの申し込み予約で20人ほどの列が出来ていました。相変わらず大人気です。僕が先日申し込んだiPhone、入荷まで時間が掛かりそうです。
今まではiPod-touchでも全く同じことが出来たので、iPhoneを持たなくても全然平気でした。でも4Sになってから、iPod-touchとかなり開きが出てきた感じがします。だから急にiPhoneが欲しくなった。
まず、カメラが全然違う。800万画素あれば、もう立派なコンデジです。今後、スナップ写真、ブログ写真はiPhoneをメインに使うことになるでしょう。
でも4Sの最大の魅力は、何と言ってもSiri(シリ)ですね。これは本当に凄い!
例えばiPhoneに、「吉村和敏さんの写真展の詳細、教えて」と言うと、すぐに答えが返ってくるでしょう。
日本語のサービスが始まるのは2012年ということですが、う〜ん、それまで待てません。早く使ってみたい。
そう言えば今年はモーターショーがある年です。時間があれば行きたいのですが、12月の予定がまだ出ていません。
僕の注目車は、スズキの新型スイフトスポーツ6MTと、マツダのCX-5ディーゼルです。
やはり走りが楽しくなるような車はいい。欧米人が大絶賛するスイフトスポーツ、いつか運転してみたいです。
CX-5は、売れるといいな。この車が大ヒットすると、日本でもクリーンディーゼル車がもっともっと普及していくでしょう。

2011年10月29日 (土)

一つにする

今日は都内を車で移動。
今、iPod-touchをはじめとする携帯音楽プレーヤーがメインなので、一体型のカーナビに入っている音楽の方は、まったく更新しなくなっています。
数年後、車を買い換える時は、もう一体型カーナビはいらないな、と改めて思いました。逆に、一番いいオーディオシステムを入れ、iPod-touchかiPhoneと有線で結ぼうと考えています。
ナビは、今流行のポータブルナビにします。パナソニックのゴリラとか、すごくいいと思う。
ここ数年のマイブームは、二つか三つあるものは一つにしていこう、です。音楽管理はいい例です。ネット関係も1つにする。新しいプロバイダー、ついに申し込みました。ドメインの移行は、11月に入ってから行います。

2011年10月28日 (金)

写真集の紙について

ある製紙会社でとんでもない問題が起こっていますが、僕自身、「紙」に関しては、写真集作りが始まる前に、いつも真剣に考えています。なぜなら、紙の違いによって、写真集の仕上がりがだいぶ違ってくるからです。仮に超高級紙を使えば、写真集のイメージががらりと変わります。でも1冊あたりの定価は2万円、3万円になってしまうでしょう。紙選びは、本の価格と連動しているのです。
僕が好きな紙は、サテン金藤という紙です。「BLUE MOMENT」、「MAGIC HOUR」、「PASTORAL」、「CEMENT」、「2012年カレンダー」はこの紙を使っています。写真部分に光沢が生まれ、白い部分はマットの風合いが残るという、とても繊細で上品な紙なんです。ただ紙の値段が高いので、出版社によってはなかなかOKが出ないこともあります。
ちなみに今まで最も高い紙を使ったのは、「Sense of Japan」です。利益を度外視して、この高級紙を使った写真集を作るという無茶をしてみたかったのです。だから少部数しか作りませんでした。そろそろ在庫がなくなります。
今回の「Shinshu」も、まずは「紙をどうするか」から入りました。最初6枚の写真を選び、印刷会社さんでテストをしてもらいました。そして関係者で検討に検討を重ねた結果、アルティマックスという紙に決まりました。この紙も、とても素晴らしい紙です。
ちなみに「Shinshu」は、スミとグレーの2色印刷ですが、その上にニス引きをしています。もちろん全ページです。よ〜く見ると、ニスが引いてあることがわかると思います。

2011年10月27日 (木)

鼻歌

外出先から仕事場に戻る途中、ビックカメラに立ち寄り、iPhone 4Sのケースを見てみました。たくさんありますね。入荷したらどれを選ぼうか、ワクワクします。iPhoneは、ケースからも夢が膨らんでいきます。
イタリアのリナーテ空港でフランクフルト行きの便を待っている時、免税品店である電化製品を物色しました。店内にノリのいい若者の曲が流れていたのですが、サビの部分が印象的で、すぐに覚えてしまったのです。この歌、ドライブ途中に聴くと元気が出るかもな、と思いました。最近、オジサンは疲れ気味です(^_^;)
で、このことは今日までずっと忘れていたのですが、ビックカメラ店内でふとサビの部分が頭の中に蘇ってきました。そしたら急に、この歌って誰の何て曲だろう……と気になりはじめたのです。
こんな時、役に立つのは鼻歌で検索できる「SoundHound」というアプリです。仕事場に戻り、iPod-touchに向かってサビの部分を歌ってみます。
すると、僕の下手な英語の鼻歌でも即座に歌手と曲名が判明。S Club 8のFool No Moreでした。
すぐにiTunes Storeで曲を購入。ミュージックビデオしかなかったので300円。まだみんな若いのに、歌が上手いですね〜。
それにしても、便利な世の中になりました。まさかこんな時代が来るとは思ってもみなかった。やっぱりiPhoneって、凄いと思う。

2011年10月26日 (水)

霧氷の記事

写真集『Shinshu』は、信濃毎日新聞社から出しました。信毎さんは、長野県で最も大きな新聞社です。信州人の多くが、信毎を購読しています。もちろん実家は僕が生まれる前から信毎です。
信州を撮りはじめた頃から、毎日のように信毎のホームページにアクセスし、気になるニュースを読んでいます。実はこの時間、僕にとって安らぎの時間でもあります。
例えば今日の「美ヶ原高原の霧氷」の記事。これは都会で暮らす僕に究極の癒しを届けてくれました。
写真にはまりにはまっていた高校時代、霧氷の美しさに惹かれ、冬、何度も高ボッチ高原に登りました。唯一、自転車で行くことが出来る霧氷のスポットだったのです。
美ヶ原高原は、1回だけバスを使って登りました。その日の霧氷はイマイチでしたが、寒さに震えながら、テレビ塔から美しの塔まで歩いて風景を撮った覚えがあります。
ふと、今の地元の高校生はどうなんだろう……と考えます。急に霧氷が見たくなったのでフラリとバスに乗って美ヶ原高原まで行ってみた、という学生がいるのかな。
そう言えば、僕はふらりと北海道へも行きました。ちょっと変わった高校生だったのです。

2011年10月25日 (火)

1年が早い

カナダで暮らしている日本人の友人たちは、年に一度、秋頃に帰国しています。帰国すると、ある日突然電話があり、会う日時を決めるのですが、僕はその度に、「えっ、もうあれから1年も経ってしまったんだ」と驚きます。今、それほど月日の流れが早いです。
去年の今頃、写真展「MAGIC HOUR」と写真集「CEMENT」の準備で忙しくしていました。MacBookAirを買ってから早1年、スケジュールも、紙から電子に乗り換えて早1年です。
でも僕自身、この1年であまり成長がなかったような気がしている。もっともっと頑張らないといけないな、と思う今日この頃です。
仕事とは別に、今一つ大きな変化を起こそうとしています。それはプロバイダーの完全乗り換えです。今のプロバイダーは、20代の頃からの契約なので、もう10年以上もお世話になっています。安定性はありますが、唯一の不満は、料金が高いことです。今、別の社に乗り換えようと、あれこれ調べています。例えばA社かB社かC社にすると、月の使用料を1/3に落とせます。1年でかなりの額をセーブできる。カメラ一台買えるくらい。
ホームページ(www.kaz-yoshimura.comの方)やメールの再設定は、おそらく丸一日掛かるでしょう。面倒なのでなかなか踏み出せませんでしたが、この秋、ついに行動を起こします。

2011年10月24日 (月)

iPhone

今使っている携帯電話、使いにくくてストレスがたまる、と何度もこのブログで書きました。当時、スライド式&タッチパネル式の最も高い機種を選びました。最初は面白くて使っていたのですが、日本の携帯は機能がてんこ盛り、側面にはボタンだらけで誤作動が多い。数ヶ月でイライラするようになり、今は音声通話だけです。
でこの携帯も、今年の12月で2年縛りから解放されます。残金は1万円ちょっとありますが、それを支払ってでも機種変更してしまおうと思い立ち、今朝、ヨドバシカメラに立ち寄りました。
そしてついにiPhoneを契約します。正確には予約です。入荷までに1ヶ月くらい掛かるかもしれないとのこと。

1iPhone、毎月いくら掛かるのか。早速料金をシュミレーションしてみます。
iPhone 4S 32ギガを選んだ場合、バリュープログラム(i)の分割にすると、月々の支払いは6185円〜です。でも僕は一括で買うつもりです。(ヨドバシカメラのポイントが60000円くらい、S社のポイントが7000円くらいたまっているので)
そうすると6185円〜から機種代金2400円が引かれるので、月の支払いは3785円〜になります。
これ以上料金を落とすとなると、iPhoneの「モバイルデータ通信」をOFFにして使うという方法も考えられます。
僕はd社のモバイルWi-Fiルーター(月4942円)を使っており、MacBookAirとiPadとiPod touchを動かしています。これでiPhoneも使うとしたら、「標準プライスプラン」パケットし放題の1029〜4410円がなくなるので、月の支払いがたった980円〜ですむことになります(^_^)v
まあでも、最初は「モバイルデータ通信」をOFFにすることはまずないと思うので、やはり月3785円〜ですね。でも海外に3〜4週間出掛けると、当然現地ではiPhoneを使わない(パケット通信料が高額になる。かわってsimフリー携帯を使う)ので、980円という月もありえるかもしれません。
iPhoneは、決して高くはないのです。

いずれにしても、iPhoneに関することは、入荷してからまたブログで書きます。色は「 」を選びました。

2011年10月23日 (日)

記念写真

今日は半日掛けて、イタリアで撮影したデータを仕事場のハードディスクにコピーしました。同じデータを3台のハードディスクに落とすので、どうしても7〜8時間は掛かってしまうのです。
全てのコピーが無事に終わったとき、はじめて、今回のイタリア取材が無事終わったな、という安堵感に包まれます。
パソコンのスイッチをOFFにする前に、すべての写真にざっと目を通しました。この写真は決まったな、と喜びを感じると同時に、ああ、この写真は白飛びしているな、とデジタルカメラの欠点でがっかりすることもたまにあります。これはデジタルの宿命かもしれませんね。
でも僕は、やっぱりデジタルの世界もレンズで決まるものだと思っています。いいレンズで撮影した写真は、仕上がりも美しいです。
_igp3546一枚、記念写真が出てきました。あまりに開放感がある場所だったので、セルフタイマーで自分撮りをしてみたのです。
ヨーロッパの村歩きでは、カメラバッグはすべて腰に固定していまいます。三脚もベルトに取り付けたホルダーにさしています。両手と肩を自由にし、スナップ撮影をしやすくしているのです。(首から下がっているのはカメラのストラップで、カメラバッグの紐ではありません)

2011年10月22日 (土)

ありがとうございます

写真集『Shinshu』のコメント、ありがとうございます。吉村本人はもちろんのこと、この本の関係者みんなで読んでいます。
また皆さんのコメントは、この本に興味を持っている多くの方の参考にもなっているようです。写真はまだ表紙の一枚しか発表していないので、本の内容は謎に包まれています。
写真展も開催したのですが、まだ未定です。あと2〜3日で決まります。というか、決めます。開催の暁には、必ずトークショーを行います。故郷信州や、被写体に対する想いのようなものを語ろうと思います。
このスタイルが確立するまで、何度か信州を旅し、テスト撮影を繰り返しました。その時に撮影した作品もお見せします。

2011年10月21日 (金)

柴犬のいる光景

欧米では、柴犬が密かな人気です。でも僕は、カナダで1回、フランスで2回しか見たことがありません。実は今回のイタリア取材で、ある小さな村を巡っている時、柴犬と出会ったんです。丘の上から海辺に佇む教会の写真を撮っている時、麓の広場に柴犬を連れて散歩しているおじさんを発見しました。あっ、と思い、「柴犬ですね!」と声を掛けたかったのですが、ちょうど夕陽が沈む時だったので、このまま写真も撮り続けたい。
で、10分後に広場まで行ってみたのですが、おじさんと柴犬は、ちょうどBMWに乗って走り去るところでした。
イタリアの田舎でも、柴犬のいる光景はとても絵になっていました。やっぱり日本犬はいいです。

2011年10月20日 (木)

写真雑誌

毎月20日は写真雑誌の発売日です。仕事場のポストは、はち切れんばかりに郵送で届いた雑誌で膨らんでいました。(写真が掲載されると、必ず1冊もらえるのです)

『CAPA』11月号 p.81 イタリア・トスカーナの写真を2点発表しています。
『フォトGaR』vol.2 p.62-63 カナダ・ローレンシャンの紅葉の写真を2点発表しています。
『日本カメラ』11 月号 p.150-151 日本のほっこり写真を3点発表しています。
『風景写真』11-12月号 p24-31 p44-45 「MAGIC HOUR〜光と時のエッセンス」。光をテーマにした写真を何点か発表しています。写真集「MAGIC HOUR」の表紙の写真を見た人から、この後、山が朝日に照らされた写真は撮ったのですか? という質問をよく受けます。はい、撮りました。見開きで紹介されているがその時の写真です。写真集の表紙と見比べてみると面白いと思います。

2011年10月19日 (水)

長野へ サイン書き

時差ぼけでフラフラ状態です。長時間ドライブは危険なので、今日は新幹線を使って長野へ行きました。たった1時間半で長野駅に到着。びっくりするほど早かったです。
信濃毎日新聞社に足を運び、出来たばかりの写真集『Shinshu』にサインを書きました。今までで一番大きくボリュームがある写真集なので、会議室のテーブルの上がすぐに本でいっぱいになります。デジカメで写真を撮るつもりでしたが、サイン書きに集中するあまり、忘れてしまいまいた。。。
写真集は、今日の夕方、いっせいに発送されたようです。ヤマトのメール便なので、2〜7日の間に届くと思います。もうしばらくお待ちください。
注文の男女比率を尋ねたら、男性の方が若干多いとのことでした。モノクロームの作品集だからでしょうか。
そうそう、お一人、名前と住所が空欄だった方がいるようです。でもクレジットカード決済はされているとのこと。今月末まで待っても写真集が届かない方は、編集部へお問い合わせください。
サイン本は、まだ少し残っています。コメントなどを読んでこの写真集に興味を持たれた方は、是非出版社のサイトからご注文ください。全国書店やAmazonでも購入できます。県内の各書店にはすでに並んでいます。

サイン会のお知らせです。
【写真集「Shinshu」発売記念サイン会】
2011年11月12日(土) PM1:00〜
平安堂あづみ野店
長野県安曇野市豊科南穂高1115 
お問い合わせTEL 0263-72-8877

2011年10月18日 (火)

見本が届く

写真集『Shinshu』の見本が届いていました!
著者がもらえるのは10冊、これはどの著者も同じです。
そのうち、永久保存版は5冊。これは開封せずに紙で包まれた状態で本棚に入れます。それ以外を献本するのですが、両親や、普段にお世話になっている編集者に送ったりすると、残り5冊はすぐになくなってしまいます。
後日、献本用に、出版社から直接購入します。撮影させてもらった先、被写体になってもらった人たちにもお礼で本を送らないといけないので、僕はいつも50〜100冊は注文しています。
著者は8掛で自分の本を購入できます。どの出版社、どの著者も同じです。100冊とか購入すると、後から送られてくる請求書が怖いのですが、こればかりは仕方ありません。
今週末は、献本作業を行うつもりです。

2011年10月17日 (月)

帰国しました

イタリア取材記は、少しずつ更新していきます。
写真集「Shinshu」、出来上がりました! 
19日(水)、長野の編集部まで足を運び、サインを書きます。その後発送となりますので、ご注文頂いた方々、もうしばらくお待ちください。
吉村

成田へ

LH710 便は、定刻通り成田へ向け離陸しました。修学旅行でしょう、高校生の団体が乗っています。景気が悪いと言っても、日本は豊かな国です。
二階建てジャンボの窓側です。1階のエコノミーのシートは3・4・3の並びなので、トイレに行く時が大変。入国審査も人でごったがえす。どちらかというと、僕はこのジャンボでの移動が苦手です。
見たい映画がなかったので、ミュージックチャンネルに合わせます。最近流行の日本の音楽のコーナーがあったので、全曲聴いてみました。一つだけいいなと思ったのは、アシガルユースの「Like or LoveStory」だけでした。プロモーションビデオもGOOD.
朝7時40分、定刻通り成田着。リムジンバスとタクシーに乗って自宅へ。クタクタです。

2011年10月16日 (日)

フランクフルトへ移動

5時起床、6時朝食、7時チェックアウト。ホテルのシャトルバスで空港へ向かいました。
ルフトハンザのカウンターでチェックイン。僕の嫌いな自動チェックイン機でしたが、ルフトのスタッフが代行してやってくれました。
さて、定刻通り飛ぶか。ここで30分でも遅れたら、帰国便に乗り継げません。以前ミラノからフランスのレンヌへ向かった時は、エンジントラブルで5時間も遅れたのです。おまけにレンヌではロスバゲ。すべての予定が狂い、とても大変でした。
でも今日は予定通り飛びました。55分後、ドイツのフランクフルトに到着。Cゲートへ移動。出国審査、荷物検査は長蛇の列でしたが、どうにか無事にクリア。C16に辿り着いた時、まさに直行便への搭乗がはじまっていました。
フランクフルト空港のいいところは、ラウンジから直接機内にアプローチできることです。

2011年10月15日 (土)

ミラノへ

_igp4212朝、昨日の村を巡りました。その後、ある場所から村の全景を狙います。それはそれは美しい風景でした。神様は最後にこんな素敵なプレゼントをしてくれるとは……。ありがとうございます。
さて、ミラノへ戻ります。近くのインターから高速に乗りました。途中、深刻な大事故を目撃しました。
ミラノに近づくと、交通量が増してきます。まずはサービスエリアに入り、トイレ休憩。そして「よし、行くぞ!」と気合いを入れ、車をスタートさせました。
大都市の高速は怖いですよ。凄まじく怖い。ドライビングテクニックというより、必要なのは「度胸」です。
緊張しながらハンドルを握り、巧みにレーンを切り替え、1時間後、どうにかリナーテ空港に辿り着くことができました。
世界中、どの空港でも、「レンタカーリターン」という大きな標識があり、レンタカーはどこに行けばいいのかすぐにわかります。でもイタリアはそんなものはない。
持ち前のカンで車を空港内に進めます。するとロータリーに入ったところに小さな「Autonoleggio」という標識を発見。無事にレンタカー専用の駐車場に車を進めることが出来ました。
車のエンジンを切ってから、しばらくは放心状態になります。ふ〜大都市の高速は怖かったな、と。
ネットで予約したホテルに向かいます。場所はどこかと尋ねたら、歩いて行け、バスで行け、タクシーで行けとみんな違う意見。ただ指さす方向は同じだったので、80キロ近い荷物を持って道を歩き、ホテルを探しました。

2011年10月14日 (金)

ある画家の故郷

今日は移動日です。
30キロほど先にある村を撮影した後、高速に乗り、北へ向かいました。
130キロほど行った所でいったん高速を下ります。料金所は、何度通行しても慣れません。TELEPASS(日本のETC)とクレジットカードと現金のレーンは間違えることがありませんが、問題はお金を払う時です。田舎の料金所(町中でも夜は無人)は誰もいないので、自分で機械にお金を入れる方式です。でもこの機械がくせ者で、ヨレヨレのお札はなかなか認識してくれないんです。いつも2ユーロコインを大量に持つようにしていますが、それでもたまにコインがないときがある。そんな時はお札で支払いますが、何度も入れてもダメな時がある。今日も5ユーロ紙幣が何度入れても戻りました。後ろには何台も車が並び「おめー、早くやれよ」とクラクションの嵐。もう焦りまくりました。
20ユーロのピン札で事なきを得ましたが、ゲートを通過した後はいつも汗びっしょりです。
またチケットを取らないで走る高速というのもあり、その時はいきなり料金所が現れたりするので、これまた焦ります。ある町の料金所で立ち往生してしまい、焦った僕は機械のボタンを押しまくったら、コイン投入口がパカッと口をあけ、そこに鷲掴みにしたコインを投げ込むと、ゲートが開きました。
_igp4055午後訪れた村は、ある有名な画家の故郷でした。村の中に彼の複製画が何枚か飾られています。
アトリエを見つけましたが、今の時期はクローズです。でも中学生の団体が入るらしく、今日だけ特別にアトリエがオープしていました。次々と中に入っていく学生たちを羨ましそうに眺めていたら、先生から「あなたも来なさいよ」と声が掛かり、中に入れてもらうことが出来ます。
アトリエの中はとても、とても素晴らしく、入った途端、言葉を失いました。で何とその先生、係員のイタリア語の説明をすべて英語に訳して、僕に教えてくれたのです。感動しました。
何度もお礼を言い、学生たち先生たちと別れましたが、心の中にはあたたかいものが残りました。
旅先で人に優しくされると、いつか自分も旅人に優しくしたくなる。苦労している人は、人の苦労もわかる。本当の辛さを知っている人は、人の辛さもわかる。
_igp4104夕方、今回の旅で最後となる村に到着しました。とても雰囲気のいい村で、次々とカメラのシャッターが押せます。この村に一泊したいと思いホテルにコンタクトしてみましたが、どのホテルもフルブッキング。郊外にあるホテルも全滅でした。考えてみれば今は秋の旅行のピークシーズン、そして今日は金曜日。
10キロ離れた町まで移動し、そこで見つけたアメリカのモーテル風のモダンなホテルに部屋を見つけ、チェックインしました。
とてもいいホテルですが、部屋の中には蚊とハエとカメ虫がいました。何故海外のホテルの中には決まって虫がいるのか。それは網戸がないからです。

2011年10月13日 (木)

失敗

ブロアーを使ってカメラのセンサーのほこり取りをしている時、感度が1600になっていることに気づきました。2日前、あの村で夜景を撮った後、400に戻し忘れていたのです。ということは、それ以降に撮った作品がすべてパー。移動距離も凄かったし、費用もかなり掛かっている……。ガクッと肩を落とします。
感度の戻し忘れ、常に気をつけてはいるのですが、疲れが溜まってくるとついついチェックし忘れてしまうのです。取材一週間を過ぎると、体力的にも精神的にもかなり疲れてくる。そう、2日前がまさに8日目でした。
1週間を過ぎると、もう一つ変化が生まれます。それは村歩きをしている時、よく段差に躓くようになるのです。昨日も3㎝の石の突起に躓き、転んでカメラのレンズを割りそうになりました。僕は今までの人生で、カメラのレンズを何度も割っています。5本くらいかな。
いずれにしても、感度の戻し忘れの大失敗、ショックです。3時間くらい落ち込みました。
でも過ぎてしまったことは仕方がない。これからどうするか、です。
明日からの予定を変更し、すべて撮り直すことに決めました。
で今日は朝から再びチンクエテッレの村巡りです。険しい山道を走り、村の中を精力的に歩き、写真を撮る。そして次の村へ移動し、全く同じことを繰り返す。ガンバレガンバレと自分を励ましながら、何とか2日分の取材を取り戻すことができました。
夕景は、同じ光が出ないので、諦めるしかない。1600で撮った写真でも、多少粒子が粗いだけなので、小さなサイズであれば問題なく使えるでしょう。

2011年10月12日 (水)

もう一つの村

朝食後、撮影を開始します。路地を撮ったり、塔の上から全景を狙ったりしました。
その後、クネクネの山道を走り、次の村へと向かいます。途中、ブドウ園の絶景と出会います。す、凄い。こんな風景がこの地球上にあることが信じられません。
_igp3699村に入りました。ここもチンクエテッレでは知名度が高い村ですが、ここもバリバリの観光地。被写体はたくさんありますが、撮る気が失せるという、観光地特有の現象が現れます。
_igp3667崖の上の展望台から全景を狙おう思いましたが、ちょうど逆光です。レストランに入り、食事をして1時間ほど潰すことにしました。シーフードパスタと、シーバスを注文。シーバスは、ニジマスとそっくりの味で、とても美味しかったです。
それにしても、チンクエテッレはアメリカ人、カナダ人ばかりです。よって、聞こえてくる言葉は全部英語。不思議と懐かしいです(笑)
全景を撮った後、ラスペツィアの町中へ移動。交通量が多いのでグッグッと緊張しますが、どうにか抜け出すことに成功、住宅街にのびるクネクネした道を走って次の村へ。何度か道に迷いましたが、夕方には次の村へ辿り着くことができまました。_igp3769村から少し離れた場所にあるモダンなホテル(50ユーロ)にチェックイン。夜は夜景を狙います。
ライトアップされた建物、そのバックに群青の海。う〜ん、とても美しいのですが、このような明暗がある被写体は、デジタルカメラでは上手く撮れないのです。
このあたりの改善を技術者の方にお願いしたいのですが、写真を見せ、口で言ってもなかなか伝わらない。「現場」で説明しなければダメなんです。技術者の方は、プロの撮影現場を一度見学してもらいたいですね。
今日も、「ああ、フィルムなら一発で決まるんだけどなあ〜」と何度も呟きながらデジタルカメラのシャッターを押しました。
Wi-Fiの1時間券を買ったので、夜、ホテルの部屋でメール仕事に追われていたら、机の上を小さなアリが這っているのに気づきました。プチプチ潰しましたが、次から次へと現れてくる。ドアの隙間から入り込んでくるのか、もしくは建物のどこかに巣があるのでしょう。冷蔵庫の後ろが怪しいのですが、アリの大群を見るのが怖かったので、移動したりはしませんでした。
いずれにしても、寝るまでに50匹は潰しました。今日はアリと一緒に寝ます。


現在地

今、ここの高台から、キラキラ輝く海を見ています。

2011年10月11日 (火)

地中海へ

_igp3292山道を走ってある町へ。町に入る手前で少しスピードを緩めて走ったら、後ろの車のドライバーが「おい、早く行け!」と怒り狂っていました。イタリア人は、スピード狂というか、自分の前に車がいたら嫌なんですね。だから追い越さずにはいられない。
「美しい〜」に登録されている町でしたが、あまり絵になりませんでした。
裏通りでスピッツが僕に向かってキャンキャンと吠えています。僕は犬派(特に柴犬)ですが、スピッツのような小型犬だけはどうしても好きになれません。一生友達になれないし、なりたくもありません。とにかく高い声で吠える犬は嫌いなんです。
さて、いよいよあの有名なチンクエテッレへ向かいます。ここから140キロの距離。
地図を見て、高速のルートを確認します。難関は大都市ジェノバのインターチェンジ。よし、と気合いを入れてエンジンをスタート。高速に乗りました。
まさに手に汗握るドライビング、一瞬で案内標識を理解してレーンをチェンジ。
サービスエリアも怖いです。イタリアは、一時停止から高速に復帰するサービスエリアがいくつもあります。走行車線には大型トレーラーがビュンビュン走っている。急発進し、その谷間に車を滑り込ませるのです。僕は1速で50キロまで引っ張り、瞬時に2速にチェンジして80キロ、そして3速で110キロまで持っていきます。
仮に合流の時、車の流れが途絶えるまで辛抱強く待っていたら、後ろから「とっとっと行け」のクラクションの嵐です。
チンクエテッレ、車で行くのは超大変です。細く険しい崖道を下っていかなければいけない。対向車が来たら広いところまでバックして道を譲る。
ここの村々を訪れる9割の人が、電車を利用しています。海岸線の岩の中に線路があり、トンネルを抜けたら村、という感じです。日本のツアー客も電車を使っています。
やっとこさ村の近くにある駐車場までやって来ました。車を停め、後は徒歩で村を目指します。
憧れだったある村へ。確かに絵になる村ですが、ここはバリバリの観光地ですね(笑)。10月なら空いているかなと思い、この時期にしたのですが、相変わらずたくさんの観光客であふれかえっていました。
さてどうしよう。夜景を撮るとしたら、この村に一泊する必要があります。ダメもとでホテルを探しました。すると、最初にコンタクトしたペンションで空き部屋が見つかります。バスルームはシェアでしたが、僕は全然気にしません。
いったん車に荷物を取りにいきます。坂道を歩くこと15分。そして下着と歯ブラシだけを持って、村に戻りました。
_igp3464マジックアワーの時間帯から夜に掛け、村の夜景を狙いました。高台から見る夜景、まさに絶景でした。作品は、何かの機会に発表します。皆さんきっとびっくりしますよ。

2011年10月10日 (月)

アスパラガスのピザ

今日もいくつかの村を取材。あまり先のことを考えず、たんたんと進めていくしかありません。今まで行った中で最も大変なプロジェクトです。お金も掛かる。
_igp3172村の中にレストランがあり、仮にオープンしていれば、入ってローカル料理を食べるようにしています。今日の料理はなかなかGOODでした。
夜はまたまたホテル探しで苦戦します。大きな町にはホテルがいくつかありますが、夕暮れ時は渋滞が激しく、ホテルの前に車を停め、空き部屋を尋ねることが出来ないのです。町はいらつくよな〜とブツブツ文句を言いながら車を運転、郊外へ抜けて小さな町へ移動しました。その町の外れでようやく小さなホテルを見つけ、チェックイン。古いホテルですが、Wi-Fiは高速です。久しぶりにメールをダウンロードすることができました。
ふと、ブログにグーグルマップで現在地を表示させようと思い立ちます。現地からの情報発信は、今後、この方式でいこうかな。
実は8月頃から、TwitterとFacebookはほとんどアクセスしていません。こちらからショートメッセージを送り込んでいるだけです。
やはり僕には、ブログ、Twitter、Facebookと、3つをコントロールしていくのは難しい。あまりネットに力を注ぐと、撮影や執筆や思考に集中できなくなってしまうのです。皆さんからいただいているメッセージは、帰国後にまとめて読みます。お許しください。
よってこれからも、僕はブログをメインの柱としていこうと思います。
ホテルが決まれば、次は食事をどうするか、です。運良く、ホテルのすぐ横に食堂がありました。入ってみるとたくさんの人です。試合の打ち上げでもやっているのか、体育会系のマッチョな男たちが食事をしていました。
どのレストランも、ピザは充実しています。この店にも50種類以上はありました。でもイタリア語なので、どんなピザか想像できない。アスパラガスという単語を見つけたのでオーダーしてみます。
5分後に運ばれてきたピザは確かにアスパラガスがのっており、あとは半熟卵でした。なかなか美味しそうです。かなり大きなサイズでしたが、いっきに平らげます。
部屋に戻りました。疲れが溜まっているので何もする気になれません。撮影データのコピーも明日でいいや。
実はプロの写真家でも、熟年写真家さんたちは、データのコピーなど一切しない人が多いです。つまり取材前に16ギガのSDカード、CFカードを10枚、20枚と買い、撮影済みのデータはそのまま持ち帰る方式です。つまり事務所に行けば、カードが300枚、400枚とあるみたいです。そう、フィルムと同じ感覚なんですね。
僕も、そのスタイルがベストかも……と思いはじめてきました。次の海外取材からカードを何十枚も持っていく方式に切り替えようかな。そうすればだいぶ荷物が減らせる。パソコンやハードディスクは確実にいらなくなりますね。

現在地

今、ここにいます。

2011年10月 9日 (日)

村巡りは大変

_igp2712まずは山の中にある村へ。ここも地区での登録で、村が4個もありました。このプロジェクト、超大変です。終わりがちっとも見えてこない。今では、自分が50歳になるまでに終わらせよう、……という感じになっています。
すべての村を撮り終えたのがお昼過ぎ。その後、20キロほど離れた場所にある村へ移動しました。
週末はバイク族が多いので、車の運転はとても怖いです。特にスポーツバイクに乗っている人たちが凄い。細いクネクネした山道を、130〜200キロですっ飛ばしていくんです。カーブの出口に停車車両があったらどうすんでしょうね。イタリア人は怖いもの知らずです。
今日もホテル探しで苦戦しました。田舎にあるどの町や村を巡ってもホテルがない。あってもシーズンオフでクローズしていたり、倒産していたり。
夜8時を過ぎるとさすがに焦りはじめ、思い切って地中海沿岸の町に抜けることにしました。ある大きな町に入り、裏通りにあったホテルに駆け込み、部屋を確保します。街中のホテルで唯一心配なのは駐車場ですが、少し離れた場所にホテル専用の駐車場がありました。ラッキーです。
近くのレストランで食事。今日はシーフードパスタ。
夜、ホテルの部屋で撮影データをハードディスクにコピーする作業を行います。これでどうしても2〜3時間潰れてしまう。デジタルになってから、本当に忙しくなりました。毎晩、休む時間も、本を読む時間も取れません。フィルムの方が何倍も楽。
11時を過ぎたら猛烈な睡魔が襲ってきます。残り1枚のSDカードは明日の朝やればいいや、と開き直り、電気を消して寝てしまいました。

2011年10月 8日 (土)

クロワッサン

_igp2300朝食後、チェックアウト。
細い山道を対向車に注意しながらのぼっていきます。またまた信じられない場所に存在する村でした。ギフトショップに、魔女グッズが売られていました。おそらく魔女に関係がある村なのでしょう。
山を下り、海に出て、再び山を登り、次の村へ。オリーブ畑の中にポツンと点在する村でした。本当にここに人が住んでいるのかと疑いたくなるほど、素朴で静かな村です。あまり撮るものがありませんでしたが、それでも3時間ほど歩き回って撮影します。
夕方訪れた村は、村全体の風景がとても絵になりました。じっくり時間を掛け、何枚も撮影します。
その後、村の中を歩きます。地中海から吹いてくる風がとても心地いいです。ふと時計を見たら4時。今日もランチを食べ忘れていました。このところ毎日です。というか、レストランがないから仕方ないのです。
カフェがありました。クロワッサンを売っていたので、一気に5個食べ、お腹を落ち着かせました。実はクロワッサンが大好きです。10個はいける。
地中海沿いの道を走り次の村へ向かっている途中、またまたポリスに車を停められます。そして職務質問。パスポートと国際免許証とレンタカーの契約書を提出。ポリスは何度も電話をしているので、盗難車ではないか、不法入国ではないか、テロリストではないか、そんなことをみっちり調べているのでしょう。
何故、いつも僕の車だけがとめられるのか。二つの理由が考えられます。車のナンバーが他の地域の登録だから。それと僕がアジア人だから。
数年前、フランスの田舎で車を停められた時は、交通量の多い道の路肩で、全部の荷物を広げられたんです。屈辱的でした。
いずれにしても、警察の職務質問は慣れっこです。
地中海に面した町には、ホテルが山ほどあります。でもどこも高い。少し離れた場所で三つ星ホテルを発見。50ユーロだったので、泊まることに決めます。受付のおばさん、フレンドリーでとてもいい方でした。

2011年10月 7日 (金)

絶景

毎日ホテルをチェンジしていると、なかなか洗濯物が乾きません。今日も下着類は車の後部座席で干して乾かします。
まずは山道を1時間ほど走りある村に行ってみました。羊飼いがいるようなとても素朴な村でした。でも寒い。山から流れてくる風が冷たく、手袋を持ってこなかったこと後悔します。凍えながら1時間ほど村の中を歩きました。
よく写真展の会場で皆さんとお会いすると、「吉村さんは田舎を旅している時、トイレはどうしているんですか?」という質問を受けます。
もちろん自然の中です。村の中には公衆トイレがない。お店がないので、トイレを借りることも出来ない。自然の中しか選択幅がありません。
でも小に関しては、写真人生23年間の中で生み出したスーパーテクニックがあるのです。だから全く問題なし。そのテクニックは、このブログでは恥ずかしくて書けませんが。
山岳地帯に点在する7つの村の撮影を終えたので、地中海へ抜けることにします。
ゴチャゴチャした町中を抜け、かなり険しい山道を通って、一端フランスへ入りました。郊外の小さな町でもプラタナスがあり、ここはフランスだというのがすぐにわかります。
100キロほど走ったらいつの間にかイタリアに戻っていました。EUになってから、国境がどこにあるのか、ホントわからなくなりました。気がついたら国を跨いでいるといった感じです。
大きな街に入り、再び北上し、海沿いの山岳地帯へ。
やがて目の前に飛び込んできた村を見てびっくり。山の頂に、こんな村があったとは……。
すぐにでも写真を撮りたい。でも残念ながら車をとめる場所がありません。よく日本人旅行者は、無理矢理路上にとめて記念写真を撮ったりしていますが、それは絶対に絶対にしてはいけない行為です。あまりに危険です。どんな田舎道でも、車やバイクが100キロを越えるスピードで突っ込んできます。車をとめる場所がなければ写真撮影を諦める。時にはその覚悟だって必要なのです。
で僕もこの風景を諦めようと思いました。でもどーしても撮影したかったので、一度麓の村へ戻り、そこの駐車場に車をとめ、細い山道を歩いて登りました。そしてこの絶景を撮影したのです。
_igp2113_2 僕はブログで写真を発表しない主義の写真家です。でも今回だけ特別、1枚だけ皆さんにお見せします。(写真をクリックすると拡大します)
村に入ります。縦横無尽に細い路地があり、まるで迷路でした。3時間ほど過ごします。
夕方、町に戻りました。
地中海に面した海岸線には賑やかな町が連なっています。でも凄まじい交通量、車以上に多いのがバイクです。中央線と車の隙間をビュンビュン飛ばしていくので危なくて仕方がない。
必死になってホテルを探し、やがてダウンタウンから少し離れた所にある古めかしいホテルを発見。80ユーロと少し高めでしたが、疲れていたので即決、一泊することに決めました。
レストランにはメニューがありませんでした。おじさんが直接口で言う方式です。
適当に相づちを打って、適当にオーダーしたら、何とメインが二つも出てきました。シーフードパスタとステーキです。ああ、今日は失敗したと思いながらも、作ってくれた人に悪いので、頑張って全部食べました。
今、このブログを書いる時も、おなかがはち切れそうです。

2011年10月 6日 (木)

山肌に点在する村

ホテルのロビーのみ、Wi-Fiがありました。3日分のメールをダウンロード、返事を書いたりして、1時間ほどメール処理に追われます。
朝食後、チェックアウト。細い山道を走って村へ行ってみました。美しい村の案内板が所々にあります。ここも、一つの村ではなく、地域でした。そう、イタリアの場合、地域を指すこともあるのです。
このプロジェクト、ものすごく大変ですが、根気よく一つ一つの村を訪ね、撮影していくしかありません。まずはメイン_igp1939_2となる村へ。家々の壁に絵が描かれ、花がたくさん飾られた素敵な村でした。このような村、今まで日本人は誰一人として訪れたことがないでしょう。まるで宝物を見つけたような感じになります。その後、近くの村を巡り、撮影。すでにお昼を回っていました。車の中にあったバナナとキットカットでランチ。
1時間掛けて麓の町に行き、その後、険しい山道を通って山肌にある別の村へ。2時間ほどで到着します。ガ〜ン、ここも一つの村でなく地域でした。
険しい山肌に、ひっそりと隠れるように人里があるのです。例えば長野県だったら、美ヶ原へ向かう険しい山肌にポツンポツンとあるという感じ。
ただどの村も、あまり絵になりません。夕方まで粘りましたが、これというキメカットを撮ることが出来ませんでした。
_igp2020_2 おじさんに声を掛けられます。この地に日本人が来たことを驚いていました。もちろんイタリア語なので何を言っているのかわかりませんが、「グーグル」は聞き取れたので、おそらくグーグルで見つけたのか、と尋ねていたのでしょう。
さて、今晩のホテルをどうするか。
山を下り、町中へ車を進めます。いくつかのホテルを発見。でも町中のホテルは高いし、駐車場がないしで、僕は避けるようにしています。
幹線道路を少し走ったところでよさげなホテルを発見。部屋を確保しました。
7時を待ってレストランに入ります。イタリア語のメニュー、さっぱりわかりません。今回も「どれにしようかな」で選びます。
野菜はまあまあ、パスタもまあまあでした。

2011年10月 5日 (水)

城がある村

村に朝日が差し込むのを待って、2時間ほど村の中を歩いて写真を撮ります。光は綺麗でしたが、手応えはなし。
その後山を下ります。高速に乗って西へ移動。イタリア国内の移動は、高速を使うのがコツです。でないと、村巡りは1日1個が精一杯。
_igp1668ある村に到着します。随分とモダンな村だなと思ったら、塔の向こうに素朴な集落がありました。すべて石造りでまるで映画のセットのよう。
3時間ほど撮影。汗だくになりました。
再び高速に乗って西へ移動。サービスエリアで遅めのランチ。
夕方到着した村は、山肌に巨大な城がある村でした。逆光のため、城が霞んで見えます。いつもなら、翌日まで待ち、順光になってから撮影するのですが、そんなことをしていたらこのプロジェクトは10年以上掛かってしまいます。
_igp1809まずは城の中に入ってみます。エレベーターは無料で、上まで行くことができました。そして歩いて麓の村へ。
村巡りを楽しんでいたら、やがて太陽が山肌に隠れ、さっきよりは城がはっきりと見えるようになってきました。そこで初めてシャッターを押します。
終了後、今日これからのスケジュールを考えます。次の村までは130キロ。高速を使っても暗くなってしまうし、山の中にある村なのでホテルはないでしょう。そこで近くの町まで行き、そこでホテルを探すことにしました。
2時間後、スキーリゾートのような小さな町に入ります。4〜5軒のホテルがありましたが、そのうち一軒が空いていたので部屋を確保することができました。
夜は、ホテルの夜景を撮りました。その後、レストランで食事。パスタはあまり美味しくなかったです。
_igp1827

 

2011年10月 4日 (火)

村巡り

6時起床。激しい頭痛です。時差との戦いの時はいつもそう。まあ明日には治るでしょう。
まずは「美しい村」のリスト表を見て、地図に丸印をつけ、今日の日程を組みました。
8時、行動開始。車のエンジンをスタート。すぐに高速に乗り、北西へ向かいました。
_igp11891時間後、最初の村に到着します。湖の畔にある小さな村。とても魅力的な村ですが、観光地化しています。湖の中央に小さな島があり、そこも集落になっていたので、お昼頃、有料ボートで渡ってみました。湖面を吹く心地よい風が全身を包みます。昨日まで東京にいたことが嘘のよう。僕の友達は、みんなストレスをためています。旅に出ればいいのにな、といつも思います。そう、快適さはお金で買えるのです。
2時頃、30キロほど北にある村へ移動。絵になる風景はありませんでしたが、3時間ほど歩き回って撮影を行いました。
_igp1631夕方、アルプス地帯に入り、スイスとの国境付近にある村へ。村の雰囲気は、オーストリアやスイスの村と似ていました。
まずはホテルです。いくつかありましたが、シーズンオフのためすべてがクローズしています。一軒、営業していそうなホテルにコンタクトすると、泊まってもいいよとの返事。山小屋風で、部屋はカントリー調でした。どうやら客は僕一人だけのようです。
一息ついてから撮影を開始します。村の中を2時間ほど歩き回りました。標高の高いところは、特に緑が瑞々しくキラキラ輝いて見える。日本の緑とは全然違う。不思議です。

2011年10月 3日 (月)

イタリア、ミラノへ移動

朝4時半起き、5時半に家を出て、タクシーとリムジンバスで成田へ。
ルフトハンザのカウンターでチェックイン。ますます荷物の重量チェックが厳しくなり、規定の23キロからたった1.5キロオーバーしているだけなのに、「ダメ」と言われてしまいました。
二つにわけるか、それとも18000円払うか迷いましたが、カメラのレンズを手荷物にすることによって23キロまで落とすことができました。
ANAのラウンジに入り、いつも通りソバとおにぎりとクロワッサンを食べ、ホッと一息つきます。朝ソバって、最高です。
9時30分発LH711便は、定刻通り成田を離陸します。例の二階建てジャンボですが、エコノミーなので、快適さはありません。ああ、いつもビジネスクラスで海を越えたい……。10万マイルたまるであと2年の辛抱ですね。
外資系航空会社は、日本語対応の映画がとても少ないんです。その中から「スーパー8」を観ました。まあまあ面白かったので、最後に監督は誰かなとチェックしてみたら、スピルバーグでした。
その後、2本つまらない映画を観てから、文庫本の小説を紐解きます。5ページくらい読んでから、以前この小説を買って読んだことを思い出します。急に読む気が失せてしまいましたが、最後まで頑張って読みました。
それにしても眠い。時々モーレツな睡魔が襲ってきます。昨日4時間しか寝ていないのが原因でしょう。途中何度もフッと意識を失い、本を床に落としました。
16時25分、定刻通りフランクフルトに到着。案の定、入国審査は長い列です。二階建てジャンボは一気に520人もおりるわだし、他の到着便の乗客もいる。仮に乗り継ぎが1時間であれば、完全にアウトです。
イライラしながら列に並び、入国審査、荷物検査を終え、B13ゲートに着いたときは搭乗開始5分前でした。
LH254便は定刻通り離陸します。1時間半後、イタリア、ミラノ、マルペンサ空港に到着しました。夏のピークシーズンと違い、空港は閑散としています。今回もロスバゲかなとドキドキしながら待っていたら、きちんとバッグが流れてきました。
レンタカーを借ります。アップグレードで、少しだけいい車になりました。
走りはじめてすぐに、おお、この車は凄いぞ、と唸り声を上げます。近頃のマニュアル車って、とにかく素晴らしいです。オートマ車が進化しているように、マニュアル車も確実に進化しています。僕らが免許を取得した25年前とは全然違う。ご存じのように、マニュアル車には半クラッチのタイミングというのがあります。でも今のマニュアル車って、まるで半クラッチがないような感じで、すっとギアが繋がるのです。だからよっぽどのことがない限りエンストしない。ギアが2、3の時でも半クラッチのショックがほとんどないし、3、4で無理して低速を走るとノッキングしますが、それすらもない。そう、今のマニュアル車ってものすごくよく出来ており、そう、オートマ車のCVTに似ています。
車は絶対にマニュアル車です。オートマでは車の魅力が半減してしまう。日本と北米だけオートマ中心というおかしな方向に流れていますが、車メーカーさんにこの流れを変えてもらいたい。ヨーロッパに来て、マニュアル車を運転する度に、走りの楽しさに気づきます。
空港から10キロほど離れた街にあるいつものホテルにチェックイン。
部屋で荷物整理をした後、ベッドに倒れ込みました。長時間の移動で、さすがにクタクタです。

海外取材中

イタリアを取材中です。
取材記は帰国後(18日頃)にまとめて更新します。
吉村和敏

2011年10月 2日 (日)

準備

朝から海外取材の準備です。
荷物をまとめながら、グラム単位で重量を削ることばかり考えています。このレンズは持っていこう、このレンズは今回は無理。一瞬で判断を下します。
いつかやってみようと思っていることがあります。それは衣類の重量を今の半分にすること。例えば、Tシャツ1枚は約110グラムですが、登山用の軽いTシャツにすれば70グラムまで落とすことができます。つまりそれを4〜5枚買い、海外取材専用とするのです。帰国し、洗濯し、揃えておけば、出発前にパッキングする手間も省けます。
登山用の軽いアンダーウエアは、速乾性にも優れています。ホテルの部屋で洗濯しても、1〜2時間で乾いてしまう。1枚3000円ほど。よし思い切って投資するか……。
今日は、そんなことをぼんやり考えならパッキングを行いました。

2011年10月 1日 (土)

印刷 4日目(最終日)

今日、すべての印刷が終わりました。
来週長野県の製本所に入り、製本が行われます。表紙の文字「Shinshu」の箔押しもありますね。1枚1枚、丁寧に泊が押されます。
紙の本は、何人もの職人さんたちの力が結集される、まさに芸術品。今日もそのことを強く認識しました。例えばスミ版とグレー版を合わせるとき、印刷機の「オート」にまかせても、紙の伸び縮み、湿度などの影響によって、0.1〜0.2mmくらいずれてしまうことがある。でも職人さんたちは、長年の経験と勘でピタリと合わせてしまうのです。数々の職人技を間近で目にすると、感動します。
今、デジタル書籍が流行です。でもデジタルって、どこか味気ない。何か書籍を購入しても、すぐに飽きてしまう。だから僕は何となく、写真集の世界はデジタルには移行していかないような気がしているのです。やっぱり写真集は、「紙」です。

小田原漁港近くの食堂で美味しい海鮮丼&海老フライを食べました。その後、東京行きの新幹線に乗ります。写真集の印刷が無事に終わったので、ホッと一息。パソコンを立ち上げました。
そうそう、あと数日で、iPhone 5の発表ですね。auからも出そうなので色々な意味で楽しみです。僕自身、こちらの方のデジタル世界は大好きです。考えるだけでワクワクしてしまう。
今はまっているアプリがあります。それはFlightRadar24(250円)。
これ、とてつもなく凄いアプリです。何と今空を飛んでいる飛行機を、リアルタイムで知ることができるのです。飛行機マークが動いていく! 空港にアプローチするところが特に凄い。
僕はよく自宅のベランダで、ボンヤリと空を飛ぶ飛行機を眺めることがあります。以前は航空会社名や便名はわかりませんでしたが、このアプリを使うようになってから「へー、国際線の○○便なんだ」と知ることができるようになりました。
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