200キロ 恐怖のドライブ
朝目覚め、カーテンを開けると、外は雪。ガ〜ン。もちろん雪は好きですが、問題は車です。何と、今回借りたレンタカー、スノータイヤを履いていないんです。正確には、オールシーズンタイヤですが、ツルツルで溝がほとんどありません。真冬にそんなタイヤの車を貸し出すレンタカー会社もあんまりですが、まあ海外ではよくあること。何事もしっかりしているのは日本だけなんです。
さてどうするか……。選択の余地はありません。このまま頑張ってカナダまでドライブするしかないのです。
9時、ホテルをチェックアウト。「神様、事故が起きませんように……」とお祈りした後、車のエンジンをスタート、ホテルの駐車場を後にしました。
路面はツルツル、車のおしりがかなり振られます。信号で止まると滑って発信できなくなるので、赤の手前で減速し、ゆっくり動きながら青に変わるのを待ちます。
まずは179号線を走り、その後、9号線に乗り、70キロのスピードをキープしながら北上していきました。
後輪が滑りはじめたら、アクセルを緩め、逆ハンを切って、車体をまっすぐに立て直す。その繰り返し。冷や汗。超怖い。
森の中の道は雪が深く前へ進むことが出来なかったので、大型トラックの通過を待ち、圧雪された雪道を走りました。
そんな感じで全身汗だくになりながら、150キロほど北上し、カナダとの国境の町に辿り着きます。人生の中で、もっとも怖いドライブでした。
ゲートでカナダの入国審査。係官にたくさんの質問を浴びせられます。車の中も全部調べられました。陸路でのカナダへの入国は、アメリカ以上に大変です。
PM1時、どうにか無事にカナダに再入国できました。近くのティムホートンでランチとコーヒー。ホッと一息つきます。
あとは、セントジョンまで70キロのドライブが残されています。最悪なことに、降る雪はフリージングレイン(氷雨)に変わりました。
ハイウェーに乗り、65キロのスピードをキープしながら慎重に東へ移動していきます。坂道はタイヤが滑って登れなくなるので、事前にある程度加速し、いっきに駆け上がりました。
で、夕方、どうにかセントジョンに辿り着きます。郊外にあるモーテルにチェックイン。全然フレンドリーじゃないおばさんに「アメリカからのドライブ、超怖かったです」というと「あら、そう」と素っ気ない受け答え。
そう、カナダ人って、タイヤのことなんか気にしないです。日本人は雪道のドライブは「スタッドレスタイヤ」となりますが、カナダ人は「注意して運転する」になるのです。夏タイヤでも、みんな平気で雪道、氷道を走っていく。タイヤなんかにお金を掛けたりしない。北海道の人が見たら、びっくりするでしょう。
今回、僕もカナダ人を真似てみたわけですが、もちろん、いつもはこんな無茶はしないんです。慎重派の僕は、レンタカーを借り時、すべての車のタイヤをチェックし、一番ミゾが残っている車を選んでいる。実は今回、そのチェックを忘れてしまったのです。ツルツルタイヤに気づいたのは、アメリカに入ってからでした。
夜は近くのチャイニーズでテイクアウトしたシーフードフライドライスとコーラ。味はまあまあでした。
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ご無事で、なにより!今度の旅は、終始安心感で読み終えるかと思えば、後半に落とし穴がありました。カナダの人は、皆さん、そのような運転技術で運転をされているということなのでしょうか。大きな国土なので、多少滑ったところで、何十台の玉突き事故になんてならないのでしょうね、きっと。
入国審査員も、まさもんみたいなドラえもんは、ちゃんと観光客だとお見通しなのでしょう。吉村さんは、ただの観光客ではないと直感的に分かるのでしょう。実際、ただの観光客じゃないし!仕方ないですね…諦めて我慢して下さい。
吉村さん、通常は穏やかな表情ですが、 ふとした瞬間、かなり鋭い眼光をのぞかせると感じます。それは、旅の中の張り詰めた空気に身をさらされて来た人が持つものだと、私は感じています。
投稿: 花水木 | 2012年1月31日 (火) 02時16分
吉村サンのドライビングテクニックは、さすがです!雪道を知り尽くしている。
ツルツルタイヤは、本当に怖いです。
道路の氷上や圧雪では、何処で滑り、向きを変え、スーと滑り止まらない!という、運転者の意思とは、まったく違うモノになってしまうからです。
北国で、雪運転に慣れていても、「ツルツルタイヤで雪道を走る」という無茶なことはした事がありません。
カナダのレンタカー会社の安全意識の無さに、驚きます。
「神様、事故が起きませんように…。」のお祈りが良かったです。
日頃から、教会や神社仏閣で 神様に祈っていらしたので、その悪条件でも 無事に目的地に到着出来たと思います。
きっと、緊張運転で肩がカチコチになったことでしょう。夜はリラックスして、しっかりお疲れを取って下さい。
投稿: サラ | 2012年1月31日 (火) 01時33分
これは恐ろしいですね・・・読んでるだけで手に汗が出そうです。
カナダの人ってスタッドレスタイヤを履かないんですか?それは初めて知りました!
カナダには3~4回入国したことがありますが、いずれもアメリカからの陸路でした。空港で入国したことが一度もありません。全てアメリカのI-5でBC州からの入国です。
ホリデーシーズンにしか行ったことがないので、国境付近はかなり混みあった記憶があります。そのせいかもわかりませんが、入国審査に時間をかけられたことはありません。いずれもすんなり通過できました。
車で入国審査の列(渋滞)に並んでいると、すぐ横の車に見たことのある人が乗っているなと思ったら、いつも習ってる英語の教師だったこともありました(笑)懐かしい思い出です。
投稿: Mon_masa | 2012年1月30日 (月) 16時25分