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2012年6月 5日 (火)

フィルムとデジタル

ここ数年、少し頭を痛めている問題があります。それはフィルムの退色です。20〜25年前に撮影した写真、よく見ると、若干色が褪せているのです。退色こそ一つの「味」、と言えばそれまでですが、やはり美しいまま残していきたいというのが本音ではあります。
今は印刷技術が高いので、たとえ退色したフィルムを使っても、自然な感じで印刷物を仕上がることは可能です。でもそれをするためには、時間とお金が掛かる。
デジタルカメラで撮影した写真、つまりデータであれば、退色の心配はいりませんが、デジタルの世界はどんどんと進化していくので、数年前に生み出した写真は、やはり古さを感じます。
また、デジタルデータは、決して永遠ではありません。デジタルの世界はコロコロと規格が変わるので、そのたびに上手くコピーを繰り返していかなければ、昔のデータは完全に失われてしまいます。
15年前、お金を掛けてフィルムをスキャンし、フォトCDを作りました。そのデータは今、開くことが出来ません。仮に昔のパソコンを使って開いたとしても、当時のスキャニングのデータは粗すぎて印刷物では使えません。
先日、NHKの「クローズアップ現代」で、フィルム映画についての特集をやっていましたが、「フィルムは永遠だけど、デジタルは永遠でない」という言葉が印象に残りました。そう、まさにその通りです。
フィルムとデジタル、この二つは全く別ものです。僕は双方の良さを上手く引き出しながら、作品を生み出しています。

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コメント

私もその番組を見ました。
その時は写真のことまで思いいたりませんでしたが、写真家の方々にとって本当に根幹に関わる難しい深刻な問題ですね。
個人的には、作品の経年による変化も受け入れて「フィルム」というカテゴリーを守っていただきたいと思いますが…、それは幸いにも色あせのない吉村さんの作品の素晴らしさを現在進行形で知っているからこそなのかも知れません。
遠くの将来、作品が吉村さんの手を離れて「受け継がれる」ものとなった時に、それがいいとは言いきれないですよね。
だから、吉村さんが実際に手をかけられた作品とお話に今触れられることに感謝しないといけません!

「クローズアップ現代」少し見ていました。フィルム映画を維持、上映する手段、映画館も少なくなっているのですね。

吉村先生の大切にあたためてこられた作品のフィルムやデータを、もし可能であったなら少しでも多く、はやく新しい写真集や作品展にてお披露目してくださることを期待&希望します

あと一か月のち、7月初旬に発表されるご予定の写真集『LIGHT ON EARTH (ライト オン アース) 』のように…
今か今かと、とてもとても楽しみにしております♪

吉村サン、私はカメラ・フィルムに関して詳しい方ではありませんので、コメントが間違っていたら、ごめんなさい。

フィルムは、絵画と同じで「脱色」の経年変化もやはり味として、思い出を作っていくと思います。

デジタルは、電化技術の進歩の形として、カメラ・プリンター・スキャン・パソコンとの連動技術によって、生み出されるために、どの機器類が技術革新し過ぎても、また不具合が発生するものと思います。

といっても、デジタルカメラの良さで撮影にあうモノがあり、フィルムの良さもあり、これからも大切に続けられるのでしょうね。
例え、20年前のお写真でも、そこに映し出された風景や記録写真は、当時の感動を色鮮やかに思い出させてくれることでしょう。

これからも、時代の流れや技術革新があっても、写真家 吉村和敏さんのトキメキ写真をたくさん撮影されていくことを願っています。

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