フォト

LINK

« 一つの夢 | トップページ | フォトコンテストの審査 »

2012年8月24日 (金)

デジタルデータは難しい

デジカメで生み出したデジタルデータから美しい印刷物を作るのってとても難しく、雑誌や写真集などで作品を発表する時はいつも苦労しています。
データを印刷会社に渡します。まずは初校が上がりますが、大抵よくありません。色が転んでいたり、シャープがきつ過ぎたり……。そこから何度か修正を加えることよって、美しい印刷物が形になっていくのです。
なぜ初校はダメなのか。それは、デジタルデータの場合、それぞれのモニターによって、プリンターによって、色味が異なってくるからです。つまり常にフラフラした状態なので、何が本物かわらかくなってくる。
実際の風景の色を知っているのは、その被写体を自分の目で見た写真家しかいません。だから最終的には、写真家の記憶を頼りに色出ししていくのです。
ここ数年、仕事関係の印刷物はすべてデジタルデータですが、初校や再校が上がる度に、我が家にバイク便が届いたり、編集者さんが持ってきてくれたりします。
実は今日も、ある方が、ある急ぎの印刷物の初校を持って我が家を訪れたので、それに赤を入れました。
その反面、フィルムは楽です。原画という「実体」があるので、印刷会社はそれに合わせればいいだけのこと。仮に初校がいまいちなら、指示は「フォルム通りにする」で終わりです。
デジタルよりフィルムの方が後々楽だから、という理由でフィルムを使う写真家が、まだかなりいるんです。

« 一つの夢 | トップページ | フォトコンテストの審査 »