観光客
イタリアで生み出した何十万枚という写真と格闘しています。毎日何千枚もの写真を見ていますが、やはり風景作品の中に観光客が入っていると、作品の力がグッと弱まってしまいますね。風景作品の中には、やはり地元の人が入った方がいい。
だから僕は観光地が苦手なのかもしれません。観光地は、どう撮っても観光客が入ってしまうから。
写真家は、意識的に観光客を抜いて撮っています。たとえばプリンス・エドワード島の「赤毛のアン」の家。僕が生み出す写真には、観光客が一人も映っていませんが、それは観光客がいない時を狙って撮っているからです。時にはお願いしてどいてもらっている。
実際は、アンの家の周りには何十人という観光客がいます。観光バスが4〜5台着くと何百人です。
アンの家の前に地元の人が歩いていれば面白い作品が生み出せるのですが、ここは入場料を払って入る観光スポットなので、地元の人の生活とは結びついていないのです。
まあでも逆転の発想で、観光客だけを撮り、「ザ・観光客」というような写真集を作っても面白いかもしれません。