帰国しました。簡単な取材記
「スペインの最も美しい村」の旅です。
今回訪れるのは、アンダルシア地方にある「白い村」。11月はシーズンオフですが、スペイン南部は暖かいので、おそらく大丈夫だろうと勝手に判断し、旅することに決めました。
航空券、まずはANAとルフトハンザで探してもらったのですが、相変わらず高くて手が出せません。ホントここ数年、航空券が高騰しているのです。これでは20代の若者はますます海外へ行かなくなりますね。よって今回もトルコ航空を利用し、まずはイスタンブールへ飛びました。トルコ航空は早めに予約すればかなり良心的なプライスです。今回も往復で13万円ほど。
イスタンブールから5時間のフライトでスペイン南部のマラガへ移動。マラガは巨大な空港です。
レンタカーをピックアップ。レンタカーは日本で予約するのですが、希望通りの車が来ることはまずありえません。小型4ドアで予約しても決まって大型車になる。大型車は予約する人が少ないので、大量に余っているのでしょう。もちろん大型車の運転は好きですが、美しい村の取材はコンパクトでないと厳しいのです。毎日の給油で100ユーロも入れていたら取材費がいくらあっても足りないし、大型車だと村の細い路地に入っていくことができません。
案の定、今回も7人乗りの巨大なバンになっていました。こんなデカイ車は嫌だと言って、小型4ドアに変更してもらいます。小型が残っていたからラッキーでした。繁忙期はありません。
カローラを予約したらカローラが用意されている。これ、日本だけです。他の国はどこもアバウト。90%の以上の確立で、予約したグレードと違う車になる。
300キロほどいっきに高速を走り、まずは最初の村にやって来ました。シーズンオフのため、ホテルは難なく見つかります。
初日からはりきりすぎると後半バテるので、まずはスローペースで撮影を行いました。大好きな夜景の撮影もほどほどにします。
ホテルのチェックアウトはお昼の12時。朝食後、2〜3時間、村内をじっくり巡ることが出来ました。
3日後の夕方、ある村に入りました。まずは歩いてホテル探しを行います。
向こうからポリスがやって来たので、「村にホテルがありますか?」声を掛けてみます。そしたら「今の時期はあそこしか空いてないな、案内してやるよ、車に乗りな」と、パトカーの助手席に座らせてくれました。
ホテルに向かう途中、ちょっと用足ししてくるから待っていてくれ、と車内で10分ほど待たされます。エンジンをONにしたまま、ポリスのスマホとか無線とか車内に置きっぱなし。大丈夫かなと余計な心配をしながらポリスの帰りを待ちました。この大らかさ、カナダやアメリカと一緒です。
で、ポリスから紹介してもらったホテルは、オイオイどう見ても友達の家だろと思うほど簡素なホテルでしたが、今晩の寝床を確保できただけでもよかったです。
ちなみに夕食も、ポリスから紹介してもらった「村で一番美味しい料理を出すレストラン」でタパスを食べました。味は普通だった。
ある村に到着しました。
ホテルはいくつかありましたが、どこも倒産と冬期休業中。
少し手前に小さなホテルがあったのでコンタクト。オーナーと息子は無愛想、実に怪しげなホテルでしたが、今までの経験からこの感じなら大丈夫というのがわかったので、宿泊することに決めました。部屋はまあまあ快適です。シャワーのお湯も奇跡的に出た。ちなみに、日本人はシャワーのお湯が出ないとすぐにホテルに文句を言いますが、安ホテルの場合、お湯が出る出ないは運なのです。それほどたいした問題ではない。インドでは、そこそこのホテルでもお湯が出ませんでした。
問題は今晩の食事です。近くにはバーしかない。息子に尋ねると、8時過ぎであればこのホテルでも食べることができるとのこと。
で、8時に下りていくと、宿の女将さんがいて、料理を作ってくれました。シンプルなチキン料理でしたが、感動するほど美味しかった。この日の晩はぐっすり眠ることができました。
崖の上に教会がある村へ。
この村は、バリバリ観光地でした。目抜き通りには土産物店が連なっています。ミュージアムの前で入ろうかな、と迷っていたら、すぐに受付のおばさんが出て来て、「中はとても素晴らしいわよ。上と下のミュージアムの共通券があるの。6ユーロ。とってもお得、あなた買いなさい」と言いました。誘われるまま入場してしまいます。
呼び込み。やはり商売では大切ですね。僕はこれが出来ないから、清里ギャラリーを上手く経営していくことができないのです。
村の入口には、観光客の顔写真を撮る写真家もいました。僕も知らぬ間に撮られたらしく、村を出るときキーホルダーになっていました。1個5ユーロ。
「これ買うよ」と言ったら、途端に焦りはじめ、「ちょっと待て」と急にキーホルダーの金属部分の加工をはじめました。写真は簡易的に貼り付けているだけでした(笑)
この商売、遠目で少し観察します。ご主人が写真を撮り、奥さんがプリント、加工、販売をしていました。
この路地を通過する人のほぼ全員の写真がキーホルダーになっていましたが、買っていくのは10人に1人いるかいないかです。でも子供たちの写真は、親が100%買っていた。
1日40個売るとして、1ヶ月の売り上げは60万円です。う〜ん、この写真家さん、結構稼いでいるかも。
この商売、吉村が清里駅でやっていたら、結構うけるかも。ギャラリー存続のため、真剣に考えようかな(笑)
スペインは広大な国です。よって、1日1村しか旅が出来ません。毎日300〜400キロの移動を繰り返しています。
利用するのは高速道路です。高速が網の目のように張り巡らされているので、一般道を30分も走れば高速に乗ることが出来ます。
スペインの高速は無料です。大都市の近くは有料ですが、どの区間も5ユーロ以下。結構走ったなというときでも10ユーロはいきません。
仮に日本のように高速が高額だったら、美しい村の取材はスムーズにはいかないでしょう。取材費も10〜20万円は余計に掛かる。
このブログで何度も不満を述べていますが、日本の高速は高すぎです。異常なくらい高い。もっと無料区間、割引区間をつくってもらいたいです。
食事はきちんとレストランで食べるようにしています。なぜならこれも取材になるから。ローカルフードを、と言うとウエイターはすぐに理解してくれ、お勧め料理を出してくれます。他の旅人も伝統料理をオーダーしています。村では地元料理を食べる。これが旅の楽しみなのかもしれません。
スペインは毎日、肉、肉、肉です。これを1週間続けていたら、蕎麦や寿司を食べる夢を見ました。
赤ワインをグラスで注文すると、決まってボトルが1本出て来ます。グラスもボトルも値段は一緒の店が多い。で、いつも1本飲んでしまう。1本2〜3ユーロでも、不思議とハズレがない。どれも美味しいです。
あっという間の2週間でした。
今回、雨は2日間だけ。まずまずの取材成果でした。
最終日はマラガのホテルに一泊。翌朝空港へ移動し、イスタンブール経由で日本に戻りました。
トルコ航空も、映画は100本以上ある。行きと帰りで8本の映画を見ました。
今回よかったかな、と思った映画は、「マリーゴールドホテル 幸せへの第二章」でした。数年前、第一章の方も観ていました。
優れた映画は、何より原作がいい。あと、その土地のことを上手く描いているのです。この映画を観て、インドがますます好きになりました。