背伸びしない
今日もスマホOFF。
連載を一冊にまとめるって、実はとてもとても難しいのです。
個々のエッセイでは、「美しい」が毎回出てきても気にならなかったのですが、一冊にしてみると、「美しい」「美しい」「美しい」「素敵」「素敵」「素敵」「感動」「感動」「感動」……でページを捲る度に気になります。
編集者さんから「この部分は再考してください」の赤が、全ページ真っ赤に入っていました。
例えば類語辞典を紐解くと、「美しい」は「美麗」「明媚」「可憐」とたくさんの類語が出てきます。でも、吉村和敏という人間の中にない言葉を強引に持ってきてしまうと、最悪の文章になってしまいます。
「可憐な風景を前に、一句詠みたくなってきた」
これは失敗例。今まで可憐という言葉は使ったことがないし、俳句も詠んだことがありません。
文章は、背伸びしてはダメなのです。プロの作家さんが10としたら、吉村は1〜2の文章力しかありません。でもその1〜2を最大限に使って、無理せず文章を生み出していく。
写真だって、テクニックや凄い機材なんか必要ないんです。何も知らなくても、「人に伝える作品」を生み出すことができるのです。
1本のエッセイを直すだけで、30分も1時間もかかります。72本あるので大変です。夏までに本当に形になるのかな。。。
今、水気がない雑巾を無理して絞り出している感じです。
これからセブンのコーヒーを買いに行く。