昨日のブログにも書きましたが、ネットでの情報発信は、ピンポイントでしか伝えられないことを身にしみて感じるようになっています。稀にSNSの拡散によって爆発的に広がりますが、それだって「一つの情報」に限定されます。
例えば年末に熊本の阿蘇で写真展を開催しますが、この情報をTwitterなどで告知すると、必ず「ついに吉村さん、熊本デビューですね!」というメールをたくさんいただきます。熊本では何度も写真展を開催していますが、多くの方が「過去」を知らないし、興味もないのです。
写真集を出版したとき、だいたい1回くらいの告知で終わっていますが、「写真集を出しました!」「写真集を出しました!」「写真集を出しました!」と毎月のように繰り返しお伝えした方がいいということになりますね。そうしていかないと、情報は伝えられない時代です。
Amazonで一度買い物をすると、関連商品が次々と表示されるようになります。大変よく出来たプログラムですが、これもまだダメです。
僕はよく自分の写真集をAmazonで購入します。すぐに見本の在庫がなくなってしまうから。すると、次から関連商品である写真集が次々と表示されるようになります。これ、正直言って必要ありません。写真家が他人の写真集を買うことは100%ないし、興味もありません。だからいつも、写真集が表示させないように、自分の写真集を購入履歴からせっせと消している(笑)
僕が興味があるのは、画集だったり、美術書だったりします。写真関連だったら、美しい料理の本とか建築の本だったりする。
例えばAmazonが、吉村という人間の心の内までスキャンし、自分の写真集を買ったら全く別の本を出してきたら凄いことだと思う。まあでも、Amazonはいつかやるかもしれませんね。5年前に買い物カゴに入れた商品を、ある日突然お勧めとして出してくるほどですから。
では、街中のリアル書店はどうか。店内をブラブラしているだけで、「あっ、こんな本があったんだ!」と、次々とときめく本が見つかります。
先日もある大型書店に入ったら、デザインのHOW TOに関する素晴らしい本があり、衝動買いしてしまいました。
そう、リアル書店は、情報がピンポイントではない。思わぬ本との出会いによって横の繋がりがどんどん広がり、自分の知識が豊かになっていくのです。たくさんの別世界を見つけることができる。
リアル書店、紙の本は偉大です。絶対になくしてはいけないのです。本には消費税が掛からない国がいくつもあります。
何か本を読みたいと思った時、Amazonで検索してもときめく本が全く見つからない。結局買うのをやめてしまいます。
でもネット書店はいいこともある。過去の本の検索は簡単です。
スペインと言えば、25年くらい前、逢坂剛氏の『ガディスの赤い星』を読んで感動したなあ〜とふと思い出しました。
検索してみたら、Kindle版が出ていた。速攻でポチり、今Kindleで読んでいます。面白いです。