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2021年8月 9日 (月)

一瞬を切り取る

ネットニュースはいつもスッと流してしまうのですが、久しぶりに反応したニュースがありました。
江ノ電の写真を狙っていたら、そこに外国人が自転車に乗って現れ、写真を撮っていた多くの人たちがキレた、というニュースです。
その時の映像はSNSにたくさん上がっていますので、興味のある方は「撮り鉄」「江ノ電」で検索してみてください。

何となく、感情的になってしまった撮影者たちの気持ちがわかります(笑)
欧州で城とか教会にカメラを向けているとき、突然カメラの前に立ち「オレを撮れ、撮れ」と騒ぎ出す若者がいるんです。
そんなとき、写真を撮るのを諦め、彼らが立ち去るのを辛抱強く待つのですが、心の中で「早くどこかに行かないかな…」とブツブツ文句を言っている自分がいる。

そう、写真を撮る誰もが、自分の心の中に描いたイメージを形にしようと必死なんです。つまりこのとき多くの人は、向こうからやってくる江ノ電の全体像を綺麗に撮影したかったのでしょう。
外国人も、邪魔してやろうという気はなく、おふざけ感覚の軽いノリだったと思う。ほのぼのしいです。

でも今回の件で、はっきりしていることが一つあります。
それは、江ノ電と一緒に自転車に乗った外国人が手を上げて写っている写真は、ユニークな「作品」になっているということ。

仮に江ノ電の写真が何かのフォトコンテストに応募があったとします。
江ノ電だけを撮った作品は、あまりに当たり前過ぎるので、間違いなく落ちます。予選通過も無理。逆に、電車と外国人の作品は、入賞する確立が高いでしょう。これはどの審査員も同じです。

だから今回、外国人がやって来たとき、動揺せずに、電車と人を一緒に撮影して一枚の作品を生み出した人は、本当に素晴らしいと思いますよ。一瞬を切り取る能力に長けています。

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