今の時代、紙の本を作るのは無謀だと言われますが、作ります
コロナ禍によって世の中の仕組みが大きく変わってしまいましたが、この兆候はコロナ前からありました。
誰もが自由に表現し、収益を上げられるようになったら、プロの世界は終わる、と言われていました。
いままさに、その時代に突入しています。
案の定、多くのフリーランスのプロが厳しくなっている。写真界もそうですが、音楽業界の方はもっと大変みたい。
一般の人が歌や演奏をSNSでどんどんと発表し、何十万、何百万とファンを掴み、そしてベンツに乗っている。
コンサートなどでコツコツ実績を積み上げてきたプロの人たちは、もうやってられないですよ、と口を揃えて言います。
今の時代に紙の写真集を出すなんて無謀、と多くの人に言われます。
でも僕は出します。
紙の写真集は、唯一残されたプロの表現だからです。
心の底から、1冊でも多く売れてほしいと願っています。
何故かというと、自分の世界を表現したい、自分のやってきたことを形に残していきたいということ以上に、制作で掛かった費用を回収したいからです。
写真集を作って、その費用を回収出来た人はまずいません。
個展だってそう。100万掛けて作品額を作って、訪れた人にその作品を見てもらったらそれで終わり。個展は100%持ち出しです。
実家が裕福だったらそれでいいかもしれませんが、吉村の場合、そんなことを繰り返していたら事務所が破産します。
今は、個展で100万掛けたら、その100万を必ず回収する方向で動いています。
写真集に関してもそれを実現させたいのですが、紙の本に関してはなかなか難しい。今の時代、紙は本当に売れないんです。
毎年作っているカレンダーも、アマゾンで200部くらいです。
紙でないと伝えられない世界がどうしてもある。ネットでは無理。
次の写真集はかなりの少部数出版です。1冊でも多く売れてほしいと願っています。