フォトライブラリーについて
東芝上場廃止以上に驚いたのがアマナの上場廃止でした。
広告写真業界は、アマナの株を持っていた人がたくさんいたんじゃないでしょうか。
フォトライブラリーとは、プロが生み出した写真を販売してくれるエージェントです。30年前、つまり全盛期の1980〜1990年頃は、フォトライブラリーが日本に100社以上ありました。
当時、フォトライブラリーに写真を預け、販売してもらっていた風景写真家は、誰もが年収3000〜5000万くらいありました。個人でライブラリーをやっていた風景写真家は、年間1億以上稼いでいたと思います。
風景写真家や山岳写真家に、アシスタントが常に5〜6人いるというのは当たり前でした。
そう、風景写真家に、まだ夢があった時代です。
僕も、カナダ、プリンスエドワード島から帰ってきたら、フォトライブラリーから写真を預けてくれないか、とすぐに声が掛かりました。
当時、5〜6社と契約したと思います。でも僕の場合、プリンスエドワード島の風景写真だけだったので、全社まとめて月2万円くらいしか売上はありませんでした。
でも、随分と色々な媒体に写真を売ってもらいました。広報誌の表紙、旅行パンフレット、テレフォンカード、ジグソーパズル…など。
2000年に入ると、フォトライブラリー業界は徐々に下火になり、2010年頃は、8〜9割の会社がなくなりました。現在は、ほぼないに等しいです。
今の時代、写真は個人でもネットを使って販売ができます。というか、風景写真は無料で手に入ります。
例えば旅行会社がパンフレットを作るためにカナダの写真が必要になったら、ネットからいくらでも著作権フリーの写真を入手できるのです。
写真家が生み出した風景写真の著作権を高いお金を払って借りる、なんて考える企業は少ないのではないでししょうか。
クオリティの高いものを作ろうとしたらプロが撮った写真に限りますが、多くの企業がパンフレットにクオリティは求めていないですね。
男女問わず、風景写真家で生きていくことは極めて難しいです。ただ実家が資産家だったり、奥さんやご主人の実家が大金持ちだと大丈夫です。これは音楽家を含め、すべのアートの世界で言えることです。
僕の場合、35年の実績があります。あと、色々と工夫してやっているので、今のところ何とかなっています。が、先のことは誰にもわからないですね…。
いずれにせよ、定年まで必死になって頑張ります。
そうそう、11月10日に、「年金はいくらもらえるか」というブログを書いたのですが、かなりのアクセス数がありました。いつもの20〜30倍です!
やはり多くの方が年金に関しては感心があるんですね。これからも時々書いていきます。
【お知らせ】
ジュンク堂書店のトークショー、12月16日が「満席」です。12月23日は残り数席です。